(火)に東証グロース市場に上場する「クオリプス(4894)」。
「クオリプス(4894)」の事業内容や
上場初日における好材料や悪材料を踏まえ、
初値予想などを含めたIPOセカンダリー投資を考察します。
IPOセカンダリー投資についてはさまざま解釈があります。
この記事では、IPO株(新規公開株)が上場した直後に値動きの大きいタイミングで投資して、短期で利益を狙う投資手法のことをIPOセカンダリー投資としています。
クオリプス(4894)のIPOセカンダリー評価
事業内容 | 2.5 |
---|---|
業績 | 1 |
公開株数 | 2 |
上場日程 | 3 |
ロックアップ | 2.5 |
クオリプス(4894)のIPO詳細
企業名 | クオリプス株式会社(Cuorips Inc.) |
---|---|
企業ホームページ | https://cuorips.co.jp/ |
銘柄コード | 4894 |
市場 | 東証グロース |
業種 | 医薬品 |
主幹事 |
|
引受幹事 (委託幹事含む) |
|
BB(ブックビルディング)期間 | 2023年6/9(金)~6/15(木) |
仮条件 | 1,400円 ~ 1,560円 |
上場日 | (火) |
公開価格 | 1,560円 |
購入申込期間 | 2023年6/19(月) ~ 6/22(木) |
公募株数 | 1,700,000株 |
売出し株数 | 500,000株 |
OA(オーバーアロットメント) | 330,000株 |
当選株数合計 | 2,530,000株 |
想定時価総額 | 117.9億円 |
吸収金額 | 39.5億円 |
- ※想定時価総額は公開価格で計算
公開価格決定前は想定価格や仮条件の上限価格で計算 - ※吸収金額は当選株数合計で計算
公開価格決定前は想定価格や仮条件の上限価格で計算
クオリプス(4894)の主要株主とロックアップ
株主名 | 比率 | ロックアップ |
---|---|---|
第一三共(株) | 15.75% | 90日間 |
イノベーション京都2016投資事業有限責任組合 | 9.13% | 90日間 2倍 |
テルモ(株) | 8.35% | 90日間 |
大幸薬品(株) | 7.87% | 90日間 |
SBI Ventures Two(株) | 7.87% | 90日間 2倍 |
JICベンチャー・グロース・ファンド1号投資事業有限責任組合 | 7.87% | 90日間 2倍 |
澤 芳樹 | 7.22% | 90日間 |
ジャフコSV6投資事業有限責任組合 | 6.30% | 90日間 2倍 |
三菱商事(株) | 4.30% | 90日間 |
京大ベンチャーNVCC2号投資事業有限責任組合 | 3.40% | 90日間 2倍 |
クオリプス(4894)の事業内容
画像出典:クオリプス
クオリプス(4894)の主な事業内容は、
再生医療等製品、特定細胞加工物の研究、開発、製造、販売。再生医療等製品、特定細胞加工物にかかわる受託開発製造サービスおよびコンサルティング業務を行っています。
事業内容詳細は以下の通りです。
画像出典:クオリプス/目論見書
画像出典:クオリプス/目論見書
クオリプス(4894)の業績
クオリプス(4894)の業績について。
バイオベンチャーらしいというべきか業績は赤字が続いております。
画像出典:kabutan
第3四半期時点で売上約13百万円、
経常損失は▲356百万円となっています。
クオリプス(4894)の主要な経営指標等の推移は次の通りです。
画像出典:クオリプス/目論見書
クオリプス(4894)の上場初日における好材料と悪材料
クオリプス(4894)のIPOセカンダリー投資を考える上で、
上場初日における好材料と悪材料をピックアップしてみます。
クオリプス(4894)の上場初日における好材料
残念ながら上場初日における好材料は見当たりません。
クオリプス(4894)の上場初日における悪材料
業績を見ても分かる通り、バイオベンチャーは先行き不透明な部分が多く、IPOでは評価されにくいです。
また、一部株主(VC)のロックアップが2倍で外れます。
クオリプス(4894)の上場初日の初値予想
好材料や悪材料などを踏まえ、上場初日の初値をざっくりと予想してみます。
クオリプス(4894)の、上場初日の初値決定前の気配値による上限価格と下限価格は以下の通りです。
公募価格 | 1,560円 |
---|---|
気配値の上限価格 | 3,590円 |
気配値の下限価格 | 1,170円 |
上場初日の初値決定前の気配値による上限価格と下限価格は次のように決まります。
- 気配値の上限価格:公開価格の2.3倍
- 気配値の下限価格:公開価格の0.75倍
公募割れしなければ良し
- 上場市場:東証グロース
- 想定時価総額:117.9億円
- 吸収金額:39.5億円
- 当選株数合計:2,530,000株
事業内容がiPS細胞由来の再生医療などを展開していることから、将来性を評価する買いを期待したいところですが、吸収金額が大きく、IPOでは不人気のバイオベンチャー。
IPOでは赤字のバイオベンチャーは苦戦する傾向にあり、上場スケジュールも悪く、6月はIPOラッシュで同日に「エリッツホールディングス(5533)」も上場します。
IPOラッシュ真っ只中の上場で、資金分散しやすい点を考慮すると、初値高騰は厳しく、公募割れしなければ良しという感じでしょうか。
予想はあくまで独断と偏見によるもので投資を推奨するものではありません。また、掲載した情報に誤りがある場合もございます。
実際に投資を行う際は、あらゆる情報を考慮頂いた上で、自己の責任においてご判断頂きますようお願い致します。
引受価額は1,435.20円
初値が公募割れの場合、
シンジケートカバー取引(誠意買い)が行われ、
引受価額の1,435.20円あたりで寄り付く可能性があります。
シンジケートカバー取引は、オーバーアロットメントによる売出し実施時に引受証券会社が、発行会社の株主から借り受けた株式の調達・返還のために行われます。
シンジケートカバー取引は株価下落時に行われ、取引の期間は申込期間の終了日の翌日から最長30日間と定められています。
本来であれば引受証券会社は、株価が低くなればなるほど利益がでますが、引受価額付近で買い戻す傾向があることから、“誠意買い”とも呼ばれています。
シンジケートカバー取引は株価の下支え効果がありますが、オーバーアロットメントによる売出し株数が上限となっているので、効果は限定的です。
IPO投資は資金がどれくらい必要かと考える人は多いと思います。 IPOの抽選方法などは証券会社によってさまざまですが、実は資金不要でIPOの抽選に参加できる証券会社があります。 この記事では、IPOに資金不要で参加できる証券会社[…]
クオリプス(4894)のIPOセカンダリー投資 まとめ
クオリプス(4894)のIPOセカンダリー投資についてまとめておきます。
- 事業内容はiPS細胞由来の再生医療などを展開
- 業績は赤字が続いている
- IPOでは不人気のバイオベンチャー
- 公開株数が多い
- 一部株主(VC)のロックアップが2倍で外れる
- 上場市場は東証グロース
最後まで読んでいただきありがとうございました。
IPO投資は投資経験などに関係なく、当選すれば誰でも利益が出やすいので人気があります。 この記事ではIPO投資に限定して、主な証券会社の比較をしてみます。 比較する証券会社は次の通りです 比較対象の証券会社 S[…]