JALとANA 人気の航空株は買い時か?

世界的な感染症拡大の影響で株価が下落中です。

JALやANAの航空株は優待銘柄として人気がありますが、株価のバーゲンセールが始まった!とばかりに、JALとANAの株は今が買い時だと考えている人もいるかもしれません。

しかし個人的には「買うにはまだ早い」と思っています。

その理由は以下の3つ。

  1. 大幅な減益による影響
  2. 実体経済の回復が長期化する
  3. 株価が上昇トレンドになってからでも遅くはない

では順に説明します。

大幅な減益による影響

まず1つ目の理由ですが、やはり大幅な減益による株価への影響が気になります。

感染症の影響で航空大手の各社は、相次いで業績の下方修正を発表しています。

先日、ANAは約1.3兆円の融資を要請しているとの報道がありましたが、海外でも政府に支援を要請している航空会社があり、世界的に航空業界は非常に厳しい状況にあります。

一時的な財務悪化は避けられず、当然ながら業績は株価に反映し、今後業績が回復するまでには相応の時間が必要です。

原因がはっきりしているだけに、すでに株価は今回のマイナス要因を織り込み済みかもしれませんが、今後の決算発表が株価にどのような影響を与えるかが気になるところです。

JALの通期業績予想の修正

日本航空/通期業績予想の修正に関するお知らせ
画像出典:日本航空/通期業績予想の修正に関するお知らせ

  • 売上高:750億(-5.0%)減の1兆4,110億円
  • 営業利益:400億(-28.6%)減の1,000億円
  • 経常利益:430億(-29.7%)減の1,020億円
  • 当期純利益:400億(-43.0%)減の530億円

ANAの通期業績予想の修正

画像出典:ANA/通期連結業績予想の修正に関するお知らせ
画像出典:ANA/通期連結業績予想の修正に関するお知らせ

  • 売上高:1,200億(-5.7%)減の1兆9,700億円
  • 営業利益:800億(-57.1%)減の600億円
  • 経常利益:790億(-57.7%)減の580億円
  • 当期純利益:670億(-71.3%)減の270億円

実体経済の回復が長期化する

2つ目の理由として、実体経済回復の長期化が懸念されます。

JALやANAなどの航空会社が業績を回復するためには、いうまでもなく感染症の収束が最も重要です。

もちろん遅かれ早かれ感染症はおさまり、徐々に経済活動も再開していくはずです。

しかし世界的にこれだけ人の行動が制限されると、実体経済が回復するには少なくとも数年はかかると言われています。

ワクチンなどの特効薬でも開発されない限り、世界的な人の往来が一気に増える可能性も少ないと思います。

その点を考慮すると航空会社の業績がV字回復するとは考え難く、一時的な好材料で株価が上がったとしても、株価が安定して上昇するシナリオは、まだイメージしにくいと言わざるを得ません。

株価が上昇トレンドになってからでも遅くはない

最後3つ目の理由として、JALやANA株への投資タイミングはいつ頃がいいのかを考えてみます。

今回の株価暴落の要因は、世界的な感染症の拡大が原因で、人の行動が制限されて経済活動が止まったことによるものです。

これから徐々に世界各地で経済活動が再開すると、企業の業績と共に株価が上昇トレンドに転換する業種も出てくるはずです。

株価は半年から1年先の経済を先取りすると言われますが、他の業界に比べて航空業界の株価が好転するには、少し時間がかかると思っています。

これからJALやANAの株を購入するなら、株価が上昇トレンドになってからでも遅くはないと思っています。

まとめ(結論)

ということで、個人的にJALやANAの株を購入するには、まだ時期尚だと思っています。

とはいえJALやANAの株は人気なので、株価が下がって安いうちに買っておきたいと思うのも分かります。

JALやANAのように優待で人気になる銘柄は、周期的に株価が動きやすい傾向にあるので、短期的に売買するのはありかもしれませんね。

あくまでも私の個人的な見解なので、参考程度にしていただければ幸いです。

最後に航空株にまつわるエピソードを紹介します。

投資の神様も判断を誤る航空株

先日デルタ航空株の売買で話題になった、投資の神様ことウォーレン・バフェット

バフェットが航空株に対して批判的だったことは有名で、以前は「航空業界はもう懲りた」とも述べていました。

バフェットが批判的だったのにはそれなりの理由があり、航空業界の利益構造や投資先の航空会社の業績不振などが主な理由だったようです。

そんなバフェットでしたが、現在は航空株への投資を再開していて、今回の世界的な株価暴落に乗じて、自身の投資会社(バークシャー・ハサウェイ)が筆頭株主でもある、デルタ航空の株を買い増したことが話題になりました。

バフェットは割安になった株を長期的に保有して利益を大きくするのが基本的な投資スタイルです。しかし、なんと1ヶ月にも満たない短期間でデルタ航空の株を大量に売却!(その後に全て売却)

理由は定かではありませんが、その後の株価の急落を見れば想像もつきます。

投資の神様でも判断を誤るくらい、航空株への投資タイミングは難しいのかもしれませんね。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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