今回は、日本株では珍しい連続増配銘柄として人気のKDDI株(9433)を3つのポイントに分けて分析してみます。
- KDDIの業績と主な株価指標
- KDDI株の特徴
- 今後の見通し
では順に行ってみましょう!
KDDIの業績と主な株価指標
まずはKDDI株のファンダメンタルズ分析からいってみましょう。
KDDIの業績
連結売上高と連結営業利益の推移は以下の通り。
連結売上高推移
画像出典:KDDI企業情報
2019年3月期には5兆円を超え、2020年3月期も5兆2000億円を予定です。
連結営業利益推移
画像出典:KDDI企業情報
営業利益は2019年3月期に1兆円を突破して18期連続で増益となっています。また、KDDIは営業利益率が約20%と抜群の水準です。
盤石のビジネスモデルで業績好調
売上高や営業利益の伸び率が減少してきたとはいえ、安定した高い売上高と営業利益は寡占事業の強みです。
国内シェア第2位の通信キャリアとして、盤石のビジネスモデルで不況にも強く業績好調です。
KDDIの主な株価指標
KDDIの主な株価指標(2020/4/17時点)は以下の通りです。
株価は割安水準
画像出典:バフェットコード
上記画像から株価の割安性を測るPERとPBR、企業の収益性を測るROEとROA、そして自己資本比率に注目。
PER | PBR | ROE | ROA | 自己資本比率 |
11.9倍 | 1.7倍 | 14.3% | 6.6% | 45.9% |
PBRが1.7倍と、1倍以上になっているとはいえ、PERは11.9倍で株価は十分に割安水準といえます。
また、企業の成長と共にROEは下がっていく傾向にありますが、ROEが14.3%でROAが6.6%というのは効率良く収益を上げている優良企業といえます。
- 主な株価指標の目安
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- PER:15倍以下で割安
- PBR:1倍以下で割安
- ROE:10%以上が優良企業の目安
- ROA:5%以上が優良企業の目安
- 自己資本比率:40%以上なら安定経営
株価チャート
現時点(2020/4/17)でのKDDI(9433)の株価は3,205円です。
- 1年チャート
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画像出典:バフェットコード - 3年チャート
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画像出典:バフェットコード
KDDI株の特徴
KDDI株の特徴について見ていきましょう。
景気に左右されずらい安定銘柄
日本の通信インフラを支えるauブランドの携帯電話事業で、KDDI株(9433)はNTTドコモと並ぶ高配当銘柄として個人投資家に人気です。
安定的に収益が見込めて景気に左右されずらい事業内容のため、中長期保有に向いている銘柄といえます。
高配当と株主優待が魅力
KDDI株は、株主優待と高配当が目当てで保有しているという人も多い銘柄だと思います。
国内株では珍しい連続増配株
画像出典:KDDI配当情報
アメリカとは違い、日本株で連続増配の銘柄は数えるくらいしかありません。しかも18期連続増配予定というのは超優良企業の証です。
配当金 | 配当利回り | 配当性向 |
115円 | 3.6% | 40% |
KDDIのIR情報には「配当性向35%以上を維持して持続的な増配を目指します」と明記されていて、株主還元意識が高いことが伺えます。
配当金の権利確定月は3月と9月。配当時期は年2回(中間と期末)です。
- 中間配当金:2020/9/30
- 期末配当金:2020/3/31
- 中間配当:12月上旬頃
- 期末配当:6月下旬頃
株主優待
KDDI株は「保有株数」と「保有期間」に応じて、カタログギフトがもらえます。
画像出典:KDDI株主優待制度
今後の見通し
KDDI株の今後の見通しを見ていきましょう。
5G時代の到来はビジネスチャンス
高速大容量が売りの次世代通信規格「5G」がいよいよ日本でも開始されました。
まだ始まったばかりの5Gサービスですが、大手通信キャリアのKDDIにとっては大きなビジネスチャンスとなります。
au経済圏の拡大が鍵
KDDIに限ったことではありませんが、主力の携帯電話事業は成熟しており、いかに他の事業セグメントの収益性を向上して、au経済圏を拡大していくかが鍵となります。
懸念材料
格安シムの台頭や第4のキャリア楽天の参入で、主力の通信事業がどれくらい圧迫されるのかが気になるところです。
総務省からも再三にわたって通信費の値下げを指摘されており、将来的に携帯電話事業の収益性は下がると思われます。
また、通信インフラへの膨大な設備投資費用が、今後の業績にどのくらい影響するかも未知数なところがありますね。
まとめ
KDDI株はフェアバリューで業績好調の財務優良銘柄といえます。
不況にも強いディフェンシブ銘柄として、ポートフォリオに組み込みたい銘柄です。