敗者のゲームを読むべき3つの理由<原著第6版>

【要約】敗者のゲームを読むべき3つの理由<原著第6版>

敗者のゲームを読むべき3つの理由<原著第6版>

1985年に初版が発行されてから現在まで、多くの人に支持され続けている投資本の名著「敗者のゲーム」。

今回は“インデックス投資のバイブル”ともいわれる「敗者のゲーム」を要約して、敗者のゲームを読むべき3つの理由を紹介します。

次のような方におすすめです。

  • 敗者のゲームの要約が知りたい
  • 投資や資産運用に興味がある。
  • インデックス投資がなぜいいのか知りたい

敗者のゲームを読むべき3つの理由

敗者のゲームを読むべき理由は次の3つです。

  1. 普遍的な投資の基本原則を理解できる
  2. 資産運用の要点がわかり老後の金銭的な心配を解決できる
  3. 個人投資家への助言が明確で再現性が高い

それでは順番に解説します。

普遍的な投資の基本原則を理解できる

投資や資産運用に興味があるけど、具体的に何を理解すれば良いかわからないという人も多いと思います。

投資の世界にはどのような人たちが居て、どのような目的で投資をしているのか。

莫大な資産を運用する機関投資家、圧倒的な知識と経験を備えたプロのファンド・マネージャーを相手に、個人投資家が投資で成功するためにはどうするべきか。

結論から言うと、敗者のゲームは低コストのインデックスファンドに長期投資するのが最善だよという本です。

さまざまな事例をロジカルに解説しているので、インデックス投資がなぜ最善なのかがわかりやすく、普遍的な投資の基本原則を理解することができると思います。

敗者のゲームに参加してはいけない

敗者のゲーム 第1章本のタイトルになっている「敗者のゲーム」とは、相手のミスによって勝敗が決するゲームのことを意味しています。

本書ではスポーツの試合を例にあげ、「プロは得点を勝ち取るのに対し、アマチュアはミスによって得点を失う」という著名な科学者の分析を引用しています。

基本的に二つのゲームは正反対で、プロは勝つために行ったプレーで結果が決まる「勝者のゲーム」であるのに対し、アマチュアは敗者のミスによって決まる「敗者のゲーム」だというわけです。

近年、資産運用の世界は「勝者のゲーム」から「敗者のゲーム」に変わり、機関投資家でさえも他の優秀なファンドマネージャーと敗者のゲームを戦っていると指摘しています。

つまり、「市場に勝つ」ことを目指して「敗者のゲーム」に参加するのではなく、真に勝つためのゲームをするべきというのが本書の趣旨です。

インデックス・ファンドは投資のドリーム・チーム

例えば、ウォーレン・バフェットピーター・リンチジョージ・ソロスなどの世界的な著名投資家たちが、自分のファンド・マネージャーになってくれるとしたらどうでしょう。

インデックス・ファンドを使えば、この夢のような投資のドリーム・チームを抱えるのと同じメリットが得られると説明されてます。

インデックス・ファンドは市場をそっくりそのまま再現するので、マーケットがプロの投資家に支配されるようになった今、市場の動きはまさしくプロの動きの総和を示すというのがその理由です。

つまり、インデックス・ファンドを買うことは、投資のドリーム・チームの総意を結集したのと同じ意味を持つというわけです。

ウォーレン・バフェット自身も「ほとんどの投資家にとって最善の方法は、手数料の低いインデックス・ファンドに投資することであり、手数料やコストを引いた後でも、ほとんどの運用機関を上回る成果を上げることができるだろう」と語っているのはよく知られています。

確かに長期的に市場平均を上回った大手の運用機関は少なく、しかもそれを事前に知ることは極めて困難です。

投資家はそのことを認識する必要があり、その上で敗者のゲームに参加する意味があるかどうかを十分に考えるべきだと記されています。

敗者のゲームを読んでインデックス投資を始めたという人が多いのもわかる気がします。

資産運用の要点がわかり老後の金銭的な心配を解決できる

敗者のゲーム金融庁の報告書が発端となって話題になった「老後2,000万円問題」の影響で、漠然と老後の金銭的な心配をしている人もいるかと思います。

そのような心配は、資産運用を知ることで解決できるかも知れません。

本書では、「資産運用において重要な要素は、収益率をいかに管理することではなく、マーケット・リスクをいかに管理することだ」と書かれています。

例えば投資家にとってのリスクは、時間という尺度によって短期的なリスクと長期的なリスクに大別できることや、リスク許容度に対する考え方も示されています。

資産運用に難しい専門知識は要らないということがわかり、資産運用の要点を理解することで、老後の金銭的な心配という精神的な不安から解放されるのではないかと思います。

平均への回帰

敗者のゲームには、「平均への回帰」という言葉が頻繁に出てきます。

「平均への回帰」とは、短期的には偏った結果になることも、長期的には平均値へ近づくという意味です。

例えばコインを投げて表と裏が出る確率は50%ですが、短期的には裏ばかりが出たり、その逆も然りです。

しかし回数を重ねていくにつれて、表と裏が出る確率は50%に近づいていきます。

平均への回帰は、運用成果をよりよく理解するための一つのカギだとしており、さまざまな事例について平均への回帰が引用されています。

短期的に市場平均を上回る優れたリターン上げることができても、長期的に市場平均以上のリターンを上げ続けることが、いかに難しいかということを統計的に示し、インデックス投資の優位性を説いています。

個人投資家への助言が明確で再現性が高い

敗者のゲーム敗者のゲームでは具体的なデータや事例が数々紹介されており、それをもとに個人投資家はどのようにするべきかが明確に解説されています。

投資の本質とリスク許容度を理解して、自らの資産運用の目的を再確認することの大切さが伝わります。

多くの人にとって再現性が高く、投資や資産運用が決して難しいことではないということがわかると思います。

投資に成功するということは、値上がり株を見つけることでも、ベンチマーク以上の成績をあげることでもない」という一節はとても印象深いです。

自ら取りうるリスクの限界の範囲内で、投資目的達成のため、市場の現実に即した長期的な投資計画、特に資産配分方針を策定し、市場の変動に左右されず、強い自己規律の下で、その方針を守っていく。

そうすれば長期的な経済成長に見合う、各資産の長期リターンを獲得することができると書かれています。

敗者のゲームに勝つために

最終章では敗者のゲーム勝つためにはどうすればいいのかということが、それまでの内容を踏まえて簡潔にまとめられています。

自分の置かれた投資環境やリスクに対する精神的な許容度、マーケットの歴史を把握していれば、「マーケットに大きく勝つ」という幻想から逃れることができると書かれています。

個人投資家はプロの投資家に勝つ必要がなく、マーケットに勝つことに気を取られていては、自分自身にとって最適の長期投資を行うという、最も重要な目的が疎かになってしまう。

機関投資家が支配するようになった現代の市場において、投資とは「敗者のゲーム」であり、市場に勝とうと虚しい努力を続ける敗者のゲームから抜け出し、長期資産配分と運用基本政策の確立・堅持という「勝者のゲーム」に移行しなければいけないというメッセージか記されています。

敗者のゲーム名言

時代を超えて読み継がれる名著「敗者のゲーム」から、いくつか名言を抜粋します。

投資で成功するうえでの最大の課題は、頭を使うことではなく、感情をコントロールすることだ。
出典:敗者のゲーム/第4章 「ミスター・マーケット」と「ミスター・バリュー」

投資の成功はつまるところ、投資家の知的能力と情緒面の能力に依存する。
出典:敗者のゲーム/第4章「ミスター・マーケット」と「ミスター・バリュー」

投資においては高いリターンを求めることより、リスクを、夜よく眠れる水準にとどめることの方が大事なのである。
出典:敗者のゲーム/第4章「ミスター・マーケット」と「ミスター・バリュー」

市場に勝とうとする運用は、いつも法定速度より時速10キロ上回って運転するようなものだ。運転で求められるのは、道を間違えずに、ほどほどのスピードで運転し、決して大事故を起こさないようにすることである。投資も同様だ。
出典:敗者のゲーム/第5章 インデックス・ファンドは投資のドリーム・チーム

投資環境についてよく知っている投資家は、何を期待すべきかについても熟知している。このような投資家なら、知識の乏しい投資家が有頂天になったり落ち込んだりするような状況に出会っても、冷静に対処することができるだろう。
出典:敗者のゲーム/第6章 運用につきまとう矛盾

長期投資家にとって大切なことは、将来に対する現在のコンセンサスがどうかではなく、将来におけるコンセンサスがどうなるか、ということである。投資家の株式保有期間が長くなればなるほど、投資価値に対する割引率の重要性は低下し、企業収益と配当実績の影響が大きくなる。
出典:敗者のゲーム/第8章 収益率の特徴と中身

敗者のゲーム<原著第6版>まとめ

敗者のゲーム「敗者のゲーム」は、1985年に初版が発行されてから現在まで読み継がれている名著として有名です。

投資本の定番中の定番として、様々な人がいたるところで紹介しています。

この本はもともと、機関投資家を対象にした内容だったようですが、第3版以降に個人投資家向けの解説が加えられてきたようです。

時代に合わせて適宜内容がアップデートされ、この<原著第6版>でもリスクとリターン、運用成績の評価など、全編を通じて機関投資家・個人投資家の両方を意識した内容となっています。

前回の第5版はリーマンショック直後の大混乱の中で執筆された内容でした。

対して今回の<原著第6版>は、その後のアメリカにおける順調な株式市場の回復期という直近の環境を踏まえて見直され、統計数字も全面的に更新されています。

資産運用のプロが陥りやすい失敗、投資信託の手数料、401(k)投資家への助言に関連して新たに3つの章が付け加えられるなど、全体の4分の1近くが書き直されています。

アクティブ運用報酬の高さ、運用業界の高い報酬、行動心理学の新たな適用も議論されています。

敗者のゲームは次の3部構成でまとめられていて、それぞれ細かく章に分けられています。

  1. 第1部:資産運用でまず押さえるべきこと
  2. 第2部:運用を少し理論的に見てみよう
  3. 第3部:個人投資家への助言

敗者のゲーム<原著第6版>目次

敗者のゲームの著者

この本「敗者のゲーム」の著者は、チャールズ・エリス(Charles D Ellis)という方です。

ハーバード・ビジネス・スクールで最優秀のMBA、ニューヨーク大学で博士号(Ph.D.)を取得しています。

ロックフェラー基金、ドナルドソン・ラフキン&ジェンレットを経て、1972年にグリニッジ・アソシエイツを設立しています。

以後30年にわたり代表パートナーとして、投資顧問会社や投資銀行などの経営、マーケティング戦略に関する調査やコンサルティングを行っていたようです。

2001年に代表パートナーを退任し、現在はホワイトヘッド財団理事長になっているようです。

また、イェール大学財団基金投資委員会委員長、米国公認証券アナリスト協会会長、バンガード取締役などを歴任しています。

まさにアメリカ代表する金融界のエキスパートですね。

適度なページ数で読みやすい

敗者のゲームがこれほど多くの人に長年支持され続けている理由の一つは、読みやすさにあるかもしれません。

付録やあとがきなどを加えても約260ページ(本編の最終章までなら219ページ)くらいしかないので、サクッと読めます。

人によっては多少難しく感じる部分もあるかもしれませんが、頭が混乱するようなレベルではないので、わかりやすく得るものが多い本だと思います。

証券市場と証券投資の性質が整理されており、データや事例にもとづいて論理的に解説されているので、読み返すたびに新たな発見があります。

投資や資産運用に興味がある人ならぜひ読んでみてほしい本です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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