今回は「GMO電子契約サービスAgree」が注目されて株価が高騰している、GMOクラウド(3788)の株を分析してみます。
インターネットのエリート集団、GMOグループの成長株「GMOクラウド」について興味がある人は参考にしてみてください。
2020/6/23時点での主なGMOクラウドの基本情報は以下の通りです。
- 証券コード:3788
- 業種:情報・通信業
- 時価総額:1,146億円
- 株価:4,445円
- PER:99.7倍
- PBR:18.73倍
GMOクラウドの主な事業概要や前回(2020/5/12)発表された主な決算内容から、GMOクラウド(3788)株への投資ポイントなどについて解説します。
- GMOクラウドの主な事業概要
- GMOクラウドの業績と財務
- GMOクラウドの今後の見込み
- GMOクラウド株への投資のポイント
では順に行ってみましょう!
GMOクラウドの主な事業概要
GMOクラウドの主な事業概要は、インターネットの安全を支える「クラウド・ホスティング事業」と「セキュリティ事業」、企業のクラウド利用を支える「ソリューション事業」に分かれます。
- クラウド・ホスティング事業
- セキュリティ事業
- ソリューション事業
このなかでもソリューション事業で行われている、「GMO電子契約サービスAgree」が注目を集めています。
脱印鑑で注目される「GMO電子契約サービスAgree」
新型感染症がきっかけで社会の行動変化意識が高まり、IT企業を中心に“脱印鑑”に取り組む企業が増えてきました。
こうした社会の変化で注目を集めているのが「電子署名サービス」です。
GMOクラウドが提供している「GMO電子契約サービスAgree」は、紙と印鑑による契約をデジタルに最適化。
「実印」と「契約印」に相当する2つの電子契約(電子署名・サイン)を採用し、法律要件を満たしたクラウド電子契約サービスとして大きく注目を集めています。
テレワークの推進に向けて、行政でも押印や書面提出などの制度・慣行を見直す方針で議論が進められ、押印作業に代わる電子署名サービスを導入する企業が増えることが予想されます。
GMO電子契約サービスAgreeは、日本国内で優秀かつ社会に有益なクラウドサービスに対して総務省が支援する「ASPIC IoT・AI・クラウドアワード」の支援業務系分野で準グランプリを受賞しています。
GMOクラウドの業績と財務
前回(2020/5/12)発表された主な決算内容から、GMOクラウドの業績と財務を見てみましょう。
2020年1~3月期(1Q)の実績
画像出典:kabutan
直近3ヵ月(2020年1~3月期)の実績は、売上営業利益率が僅かに前年同期の12.3%から12.0%に低下していますが、売上高から最終益までが全てプラスになっており、事業の好調さが伺えます。
売上高が前年同期比6.9%増の34.4億円、営業利益は前年同期比5.1%増の4.1億円、経常利益も前年同期比24.5%増の4.9億円と増益。
最終利益は3.5億円(前期比10.1%増)となっています。
収益性
画像出典:kabutan
収益性を図るROEは18.78%でROAは11.12%です。営業利益率も11.26%で収益性の高さが伺えます。
一般的にROEが高い会社ほど経営がうまい企業とみなされて株価が上がる傾向があります。
- ROE:10%以上だと優秀
- ROA:5%以上だと優秀
- 売上営業利益率:10%以上だと優秀
財務実績
画像出典:kabutan
自己資本比率が59.2%で有利子負債倍率は0.05倍です。流動比率も約196%と財務的にも全く問題ありません。
- 自己資本比率:40%以上だと安全水準
- 流動比率:120%以上だと安全水準
- 有利子負債倍率:1倍以下が理想
GMOクラウドの今後の見込み
セグメント別の売上高は以下のようになっており、なかでも一番上のソリューション事業は23%という大幅な伸びを示しています。
画像出典:GMOクラウド/2020年第1四半期決算説明資料
セグメント別の売上高推移を見てもわかるように、「GMO電子契約サービスAgree」の好影響が顕著です。
「GMO電子印鑑Agree」は法務省が指定する商業・法人登記のオンライン申請時に必要な電子証明書として追加され、2020年6月15日(月)から商業・法人登記のオンライン申請に利用できるようになりました。
脱印鑑の流れは始まったばかりで、今後は更に電子契約サービスの需要が高まることは明らかです。
「クラウド・ホスティング事業」と「セキュリティ事業」も堅調に伸びており、GMOクラウドの事業については今後もしばらく視界良好と言えそうです。
GMOクラウド株への投資のポイント
GMOクラウド(3788)株への投資ポイントを考えてみましょう。
現時点(2020/6/23)でGMOクラウド(3788)の株価は9,800円となっています。
以下の画像はGMOクラウドの日足チャートになりますが、これぞ成長株(グロース株)といった綺麗な右肩上がりです。
画像出典:kabutan
PERは99.7倍でPBRは18.73倍です。GMOクラウドのような高成長中のグロース株は、PERなど気にしてもあまり意味がないかもしれません。
期待の高さが株価に反映されていると言えばそれまでですが、株価は成長企業独特の勢いがあり、買いが買いを呼んで急成長を続けています。
時代のニーズのど真ん中ともいえる事業内容や、GMOグループというブランド力もあるのかもしれませんが、さすがに株価は過熱感が出ているように見えます。
短期トレードが得意な人や、どうしても今すぐ買いたいという人は別ですが、これからGMOクラウド株の購入を検討しているなら、少し慎重に考えた方がいいように思います。
まとめ
最後にGMOクラウド(3788)の特徴をまとめておきます。
- 脱印鑑で注目される「GMO電子契約サービスAgree」を提供
- 高収益で好財務、今後の事業成長もかなり期待できる
- インターネットのエリート集団、GMOグループの成長株
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今後も個別株をできるだけ簡単に分かりやすく紹介してみたいと思いますので、よろしければ参考にしてみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。