「5月に株を売れ(Sell in May)」どうもクラタツです!
今回紹介する銘柄は、高配当株投資の定番「JT(2914)」株です。
高配当株投資には欠かせない銘柄として人気のJT(日本たばこ産業)株ですが、これから投資するなら知っておきたいJT(2914)株の5つの特徴を紹介します。
- JT(日本たばこ産業)の事業概要
- たばこ事業の成長が期待できない
- 安定収益で財務体質は健全
- 高配当株投資の定番
- 筆頭株主は財務大臣
では順に紹介します。
JT(日本たばこ産業)の事業概要(どんな会社?)
とりあえず簡単にJTの事業概要を書いておきます。
JT(日本たばこ産業)は国内で唯一、たばこの製造が認められている企業で、国内たばこの独占販売が認められています。
販売シェアは6割を超えており、たばこの他にも医薬品や加工食品などの製造販売も行っています。
JTの事業セグメントは大きく分けて以下の3つです。
- たばこ事業
- 医薬事業
- 加工食品事業
たばこ以外の事業をしていたなんて意外だったという人も多いのではないでしょうか。
売上比率の8割以上を占めているのがたばこ事業ですが、そのうちの6割以上が海外のたばこ事業となっています。
画像出典:日本たばこ産業(会社案内)
たばこ事業の成長が期待できない
いうまでもなくJTのメイン事業は「たばこ事業」です。
グローバルたばこカンパニーとしての地位を築いたJTですが、昨今は世界的にESG投資への注目が高まっています。
ESG投資とは、Environment(環境)・Social(社会)・Governance(企業統治)の3つの観点から、企業の将来性や持続性などを分析・評価した上で、投資先(企業等)を選定する方法のことです。
ESG投資の重要性が高まれば、たばこ事業をメイン事業としているJTのような企業にとっては逆風となり、今後はたばこ以外の事業成長が急務なのはいうまでもありません。
JTの株価の推移を見れば一目瞭然ですが、ここ数年は右肩下がりで、たばこに対する世の中の風当たりがそのまま株価に現れているともいえるでしょう。
画像出典:kabutan
現在は売上の8割以上をタバコ事業に依存しているJTですが、このままではたばこ事業と同様に、株価の成長も期待できないかもしれません。
そのため、現状では株価上昇によるキャピタルゲインを目的とする投資には不向きな銘柄といえるでしょう。
安定収益で財務体質は健全
直近(2020年4月30日)に発表された決算では、売上高は2.8%上昇したものの、最終利益が28.5%の大幅減益となっています。
たばこの国内需要は減少の一途をたどり、業績も減少傾向にあるとはいえ、JTの財務体質はいたって健全です。
画像出典:kabutan
自己資本比率は46.6%で、安定企業の目安とされる40%を超えており、利益余剰金は2兆7千億円にものぼります。有利子負債倍率も0.44%で、財務体質は盤石のようです。
JTの収益性
画像出典:kabutan
営業利益は減少しているものの、通期予想では売上営業利益率が20%を超える21.61%となっており、収益性の高さがうかがえます。
ROEは12.59%でROAは5.86%となっており、前期からは減少傾向にあるものの、まだまだ企業としての優秀さが目立ちます。
のれんの減損リスクは大丈夫?
M&Aを行う企業には、つきものともいえる「のれんの減損リスク」があります。
JTはこれまで多くのM&Aを行って来ており、のれんの減損リスクを指摘する専門家などもいます。
JTの「のれん」は現時点で約1兆8千億円ほどあり、特別損出として計上される可能性もあります。
しかし、M&Aの効果ともいえる海外のたばこ事業は好調のようなので、今のところは減損処理のリスクはあまり心配ないかもしれません。(少なくとも前年度の約2兆円からは減っています)
JTへ投資する際は、このような「のれんの減損リスク」もあるというこを理解しておく必要があるでしょう。
高配当株投資の定番
JT(2914)株が人気な理由は、7%を超える高い配当利回りにあります。
高配当株投資には欠かせない銘柄で、JTは国内高配当株界のエース的存在です。
正直、高配当株投資目的以外でJT株に投資する人は、刺身にソースをつけて食べるくらいレアな存在かもしれません。
高配当は成熟企業の宿命ともいえますが、配当性向が78%とかなり高いことや、今後は減配リスクも気になるところです。減配ともなれば株価はさらに下落必至といえるでしょう。
残念ながら16年連続の増配はストップしてしまいましたが、高配当で財務が安定しているJT株は、やはり高配当株投資には欠かせない銘柄といえるでしょう。
JTの配当推移
画像出典:日本たばこ産業(配当情報)
配当金は「中間配当」と「期末配当」の年2回となっており、配当基準日は6月30日(中間)と12月31日(期末)です。
2020年の権利付き最終日は「6月26日」と「12月28日」となっています。
JTの株主優待
JTには株主優待もあり、保有株式数に応じて選べる商品が変わります。
2019年までは6月末と12月末の年2回の株主優待を実施していたのですが、2020年からは年1回に変更になりました。
12月末に100株以上を1年以上継続保有していることが条件となり、たばこ以外の食料品の詰め合わせなどから選べます。
筆頭株主は財務大臣
もともとJTは、日本専売公社という国営の企業でしたが、1985年に「日本たばこ産業株式会社法(通称JT法)」という法律が定められて、現在のJTが誕生しました。
このJT法によって、政府が30%位上の株を保有することが定められており、取締役の選任や事業計画などには財務大臣の認可が必要となっています。
画像出典:kabutan
ちなみに元は国営企業だったNTT(元の日本電信電話公社)も同じように、政府が30%以上の株式を保有しております。
まとめ
今回はJT(2914)株について、投資する前に知っておきたい5つの特徴を紹介しました。
ここ数年の株価下落で株価はかなりお手頃になってきたので、JTへの投資を考えている人も多いのではないでしょうか。
メイン事業の成長は見込めないものの、高配当で財務も健全となれば、高配当株投資が目的の人にとっては欠かせない銘柄といえるでしょう。
最後にJT株の5つの特徴をまとめておきます。
- JT(日本たばこ産業)の事業概要
- たばこ事業の成長が期待できない
- 安定収益で財務体質は健全
- 高配当株投資の定番
- 筆頭株主は財務大臣
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今後も個別株をできるだけ簡単に分かりやすく紹介してみたいと思いますので、よろしければ参考にしてみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。