先日発表された決算では、1Qで通期計画を達成するという離れ業をやってのけたMTG(7806)。
好業績を上げたMTG(7806)の今後の株価と業績見通しに加え、MTGの主力ブランドであるReFaとSIXPADについての個人的な見解も書いてみます。
MTG(7806)の事業概要
画像出典:MTG/決算説明資料
MTGは、VITAL LIFE(世界中の人々の健康で美しく生き生きとした人生を実現する)といった事業ビジョンを掲げ、HEALTH・BEAUTY・HYGIENEという3つのセクションで多種多様なブランドを展開しています。
数年前に美容ローラーで大ブレイクしたReFaブランドと、ボディメイクやワークアウト用の商品を展開するSIXPADが主力製品です。
SIXPADブランドは、サッカーのクリスティアーノ・ロナウド選手やボクサーの井上尚弥選手など、世界的なトップアスリートがブランドパートナーとして商品をPRしているので、知っている人も多いと思います。
最近はReFaのシャワーヘッドのTVCMをよく見るようになりましたね。
デザイン性と機能性に優れた商品を開発してPRを積極的に行い、業績を拡大しています。
MTG(7806)の業績と財務
先日2月10日に発表された2021年9月期(第1四半期)決算内容から、MTG(7806)の業績と財務について見ていきましょう。
2021年9月期(第1四半期)の実績
画像出典:kabutan
ECと通販が好調だったようで増収増益を達成し、経常利益は前年同期比33倍の14億円に拡大。
なんと1Qで通期予想の14億円を上回るという好業績が発表されました。
営業利益率も前年同期-2.9%から12.9%へ大きく好転しています。
財務
画像出典:kabutan
自己資本比率が84.0%で有利子負債もありません。
流動比率も496%あるので短期的な資金繰りにも全く問題なく、財務面での堅実さも完璧です。
- 自己資本比率:40%以上だと安全水準
- 流動比率:120%以上だと安全水準
- 有利子負債倍率:1倍以下が理想
ReFaとSIXPADの実績
正直MTGのブランドは、ReFaとSIXPAD以外ほとんど知らないという人も多いのではないでしょうか。
決算説明資料でも、この2つの代表的なブランドの実績が掲載されています。
ReFaブランド(2021年9月期1Q)の実績
画像出典:MTG/決算説明資料
決算説明資料を見ると、ReFaブランドの製品は前年同期比59%増の大幅増収となっています。
美容ローラーはピークを過ぎた感がありますが、ReFaはドライヤーやヘア・アイロンなどの新商品が好調のようです。
SIXPAD(2021年9月期1Q)の実績
画像出典:MTG/決算説明資料
SIXPADブランドについては、残念ながら前年同期比-12%の減収となっております。
ECと通販は好調のようですが、コロナ禍による店舗売り上げが低迷しているようです。
MTG(7806)の株主優待
MTG(7806)は、株式1単元(100株)以上を保有する株主を対象とした、株主優待が用意されています。
2020年は、9月30日現在の株主名簿に記載された株主が対象だったので、今後も9月末時点で株を保有していれば株主優待品を貰えると思います。(※実際に株を保有する際はご自身で確認してください)
500株以上を保有している株主には、ReFa製品やSIXPAD製品も用意されています。
対象の商品は限られますが、中長期的に株を保有する株主への配慮が感じられますね。
MTG(7806)株価 今後の見通し
MTGはReFaやSIXPAD以外にも、多種多様なブランドの製品を展開しています。
今後それらの製品の収益がどのくらい伸びるかは未知数ですが、しばらくはこの2つのブランド(ReFaとSIXPAD)が収益の柱になっていくと思います。
個人的に美容ブランドとしてのイメージが定着しつつある、ReFaに関しては今後も収益が拡大していくと思いますが、SIXPADは苦戦するのではないかと感じています。
しかし企業としての収益はまだまだ伸びていく可能性が大きいので、長期的な株価の上昇は期待してもいいのではないでしょうか。
ITテック企業のような急激な株価の上昇は期待できないとしても、着実に収益を伸ばし、それに伴ってMTG(7806)の株価も上がっていくようなイメージを持っています。
ReFaブランドの今後
画像出典:MTG
ReFaブランドは、ブランディングやマーケティングの上手さに加えて、ビジュアルデザインが素晴らしく機能性も良いです。
美意識が高い人へ商品をアピールするには、デザイン性は最も大事な要素だと思います。
ちょっと言い過ぎかもしれませんが、ReFaは美容製品界のアップルになれるかもしれないと思わせるような、美しいデザイン性と機能性を備えています。
美容分野はまだまだ伸び代があると思いますし、高価格帯の製品には欠かせない、デザインという付加価値を重視しているところに将来性を感じます。
アップル製品の良さはわからなくても、「あのリンゴマークのデバイスが欲しい」と思わせる、アップルの徹底したブランド戦略をReFaは彷彿させてくれます。
「ReFa=美容ローラー」というイメージから脱却して、美容ブランドとしての確固たる地位を築きつつあるように感じます。
独自の販売方法とマーケティング戦略
ReFa製品の中には、発売から半年間(6ヶ月間)だけヘアサロン(美容室など)でしか買えない商品があります。
例えばドライヤーとヘアアイロンは、発売から半年間はオンラインショップでも購入することができず、ReFa製品を販売しているヘアサロンでしか買えません。
しかしこの販売方法は今の時代に合った、とても上手いマーケティング戦略だと感心しました。
なぜならReFa製品を販売しているヘアサロンのスタッフさん達が、Youtubeでドライヤーやヘアアイロンのレビュー動画をアップしたり、SNSで商品を紹介しているのをよく見かけます。
半年間はオンラインショップでも買えないReFa製品を販売しているヘアサロンには商品販売の優位性があり、商品をいろいろな媒体を使ってアピールすることでより多くの商品を売ることができます。
MTGとしても、プロのスタイリストさん達がさまざまな視点で商品のレビューをしてくれるので、とても説得力がある商品PRになります。
実際私もスタイリストさん達がアップしているYoutube動画を見て、ドライヤーやヘアアイロンを購入しました。
半年間(6ヶ月間)はちょっと長いのでは?
ただ一つ、半年間(6ヶ月間)というのはちょっと長いと思います。3ヶ月間だけでも十分ではないでしょうか。
ReFa製品を扱っているヘアサロンが近くにない場合、半年間も待ってまで買いたいという人は少ないと思います。
ほとんどの人は半年間も待つなら他の製品にしようってなりますよね。さすがに6ヶ月もすれば買いたいという想いも冷めてしまいます。
これは大きな機会損失です。
実際私も妻にヘアアイロンをプレゼントしようと思って、ヘアアイロンが発売になって3ヶ月くらい経ってから、ヘアサロンに何件も問い合わせてみましたが全然ありませんでした。
幸いにも私の住んでいる地域には、ReFa製品を扱っているヘアサロンが多くあったので、何とか見つけることができましたが、オンラインショッピングが当たり前のこの時代、6ヶ月間も決まったお店でしか買えないというのは改善の余地ありです。
この6ヶ月間という期間だけはぜひ改善して欲しいです。そうすればもっと商品が売れて株価も上がると思います!
SIXPADブランドの今後
画像出典:MTG
SIXPADに関しては使ったことがないので詳しいことは書けませんが、ブランドとしてReFaのような伸び代があまりないように感じてしまいます。
ボディメイクやワークアウト目的の製品というのは、製品のブランディングというより、どれだけ結果に違いが出るのかを訴求できないと、売上アップは見込めないと思います。
結果にコミットするRIZAPのような、わかりやすいCMで製品のPRをするのが何より効果的なのは言うまでもありません。
もちろんサービスと製品の方向性は違うと思いますが、今後SIXPADがどのように売り上げを伸ばしていくのかがイメージしにくいです。
例えば現在はコロナ禍でホームジムを活用する人が増えても良さそうですが、この時期に売上が伸びないということは、あまりニーズがないということのように思えます。
ましてやアフターコロナとなると、ますます活用する人は減っていくように思いますが、皆さんはどう思いますか?
ReFa製品の感想
今回はMTGというより、ReFa製品を語るブログのようになってしまいましたね・笑
我が家でもReFa製品をいくつか使っていますが、デザインが良くて機能性も優れているので、使っていてとても満足度が高いです。
私はドライヤーくらいしか使うことはありませんが、風圧があって髪が乾くのが早いし、温度センサーがあるので髪が熱くなることもありません。ほんとに快適さも抜群に良いです。
妻いわく、ヘアアイロンもすぐ熱が入ってとても使いやすいそうです。髪が傷みにくいようにプレートが特殊加工されています。
美容ブランドとしてReFaの将来性を感じますが、SIXPADの将来性には少し疑問符が残ります。(あくまでも個人的な意見です)
ReFaやSIXPADだけではなく、MTGという企業が創る商品には今後も期待しています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。