どうもクラタツです!
今回は株主優待が人気の銘柄「すかいらーくホールディングス(3197)」の分析をしてみます。
先日2020年5月21日に発表された「すかいらーく(3197)」の決算内容から、今後の見通しや投資のポイントについて分析してみます。
銘柄コード | 業種 | 時価総額 |
3197 | 小売業 | 3,279億円 |
- すかいらーく(3197)の主な決算内容
- すかいらーく(3197)の今後の見通し
- すかいらーく(3197)株への投資のポイント
すかいらーく(3197)の主な決算内容(2020年5月21日)
では2020年5月21日に発表された、すかいらーく(3197)の2020年12月期第1四半期の連結業績(2020年1月1日~2020年3月31日)の内容から、主なポイントを見ていきましょう。
直近3ヶ月(1~3月期)実績
画像出典:kabutan
緊急事態宣言の影響をもろに受けた2020年12月期第1四半期(1-3月)の内容。
営業利益が-99.3%という非常に厳しい内容となっており、経常利益は8.1億円の赤字に転落。最終利益は前期比-90.8%の2.4億円となっています。
外食産業が厳しいのはわかっていても、-90%を超える実際の数字を見ると、外食産業がいかに厳しいのかがわかります。
通期業績予想と期末配当は未定に
もはや今期の決算の定番のようになっていますが、今期の決算発表では業績見通しを非開示にする企業が多いという特徴があります。
すかいらーくは従来の通期業績予想を取り下げて未定に変更しています。同時に、9円を予定していた今期の中間配当を見送ると発表。
期末に予定していた10円の配当は未定に変更となりました。
画像出典:kabutan
財務実績
画像出典:kabutan
これだけ業績が悪化していると心配になるのが財務状況です。
自己資本比率が28.7%で、有利子負債倍率は1.06倍に増えています。
利益余剰金も減っており、財務面は不安定な印象が否めません。
流動比率は約35%です。
- 自己資本比率:40%以上だと安全水準
- 流動比率:120%以上だと安全水準
- 有利子負債倍率:1倍以下が理想
すかいらーく(3197)の今後の見通し
すかいらーくの今後の見通しについて考えてみましょう。
既存店売上高の推移
画像出典:すかいらーく/2020年度第一四半期決算補足資料
決算の補足資料を見ると、客数と売上高が3月頃から大きく激減しているのが分かります。
4月と5月も厳しいことが予想できるので、6月以降にどれだけ業績が回復するのかが鍵となります。
このような状況の中、すかいらーくではデリバリーとテイクアウトに力を入れて売上を確保する努力をしています。
画像出典:すかいらーく/2020年度第一四半期決算補足資料
緊急事態宣言も解除されたので、今後は長期間の巣篭もりでストレスを抱えていた人たちが、徐々に外食に出かけるようになるのは確実だと思います。
どのくらいの期間で以前のようなレベルまで売上が回復するかは別として、全く先が見えない辛い時期は脱したのではないかと思います。
のれんの減損リスクは大丈夫か?
すかいらーくに限ったことではありませんが、無形資産である「のれん」の額が大きい企業は「のれんの減損処理」を考慮する必要があります。
下記画像に示されている通り、すかいらーくはのれんの額が1,461億円もあります。
すかいらーくのように国際会計基準(IFRS)を採用している企業では、毎年のれんの「減損テスト(バランスシートに計上されているだけの価値があるのかを評価する)」が行われます。
減損テストの結果、のれんの価値が下がったと判断されると、その差額を損失として減損処理しなければなりません。
この減損処理は営業利益を大きく減らすことになり、最悪の場合は債務超過になってしまう可能性があります。
スカイラーク側が公表した下記資料によると、「現時点でのれんの減損の兆候は識別していない考えている」としています。
これをどう捉えるかにもよりますが、のれんの額が大きいだけに減損リスクはやはり気になりますね。
画像出典:すかいらーく/2020年度第一四半期決算補足資料
すかいらーく(3197)株への投資ポイント
すかいらーく株への投資のポイントを考えてみます。下記画像は2020年5月25日の日足チャートです。
画像出典:kabutan
すかいらーく(3197)の現在(2020年5月25日)の株価は1,709円です。業績非開示のためPERは分かりませんが、PBRは2.58倍です。
株価は徐々に回復の兆しが見られますが、現在のところ暴落前の水準に回復するような勢いは見られません。
すかいらーく(3197)の株は、株主優待が目的で保有する人が多いので、これから6月末の権利確定日に向けて株価が上昇するかもしれません。
株主優待と権利確定月
中間配当は見送られましたが、株主優待に関しては「今期の株主優待制度を変更する予定はない」とアナウンスされているので、優待目的の買いはアリだと思います。
中間 | 期末 | |
権利確定月 | 6月 | 12月 |
私の個人的な評価は以下のような感じです。
評価: 3すかいらーく(3197)といえば株主優待が大人気の銘柄として有名です。そのため株主優待が無くなると大きなマイナス要因となるため、とりあえず優待が維持されたのは安心材料といえます。逆にいうと、株主優待目的以外で保有するメリットは少ない銘柄といえるかもしれません。
まとめ
最後にすかいらーく(3197)の特徴をまとめておきます。
- 株主優待が人気の銘柄
- 中間配当は無配となったが株主優待は維持
- 財務面とのれんの減損リスクが懸念材料
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今後も個別株をできるだけ簡単に分かりやすく紹介してみたいと思いますので、よろしければ参考にしてみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。