今回はインデックス投資家のバイブル的名著「ウォール街のランダム・ウォーカー」を紹介します。
株式投資の必読本として有名な「ウォール街のランダム・ウォーカー」ですが、ちょっと難点なのが約500ページほどもある本なので、かなりボリューミーです。
軽い気持ちでちょっと読んでみようかな〜なんて思った日には、集中力がもたずに途中で挫折する可能性が高いです。
そこでこの記事では、読破率向上のために「ウォール街のランダム・ウォーカー」を要約して、わかりやすく簡単に解説します。
また、「ウォール街のランダム・ウォーカー」の著者や、どんな人におすすめかについても解説します。
「ウォール街のランダム・ウォーカー」の要約
「ウォール街のランダム・ウォーカー」の内容を簡単に解説します。
効率的市場仮説を前提とした投資理論
「ウォール街のランダム・ウォーカー」は、主に米国株の投資市場を研究し続けてきた結果をまとめた本で、群集心理によるバブルの歴史や行動経済学、最新の投資理論などが詳細に解説されています。
本書は「効率的市場仮説」に基づく「ランダムウォーク理論」を前提として、投資理論が展開されています。
効率的市場仮説を簡単に説明すると、株式や債券などの金融商品は、将来に対するあらゆる情報が市場価格に反映されているという仮説です。
つまり、株式市場では株価があらゆる情報を織り込んだ適正価格になっているので、特定の手法などによって恒常的に市場平均以上の実績を上げることはできないという考え方です。
「効率的市場仮説」や「ランダムウォーク理論」と聞くだけで少し難しく感じるかもしれませんが、そのことを意識して読むと「ウォール街のランダム・ウォーカー」は理解しやすいと思います。
投資本の名著として語られることが多い本書ですが、「効率的市場仮説」とは相反する「行動ファイナンス理論」の視点から異論を唱える人もいます。
ちなみに「効率的市場仮説」は、2013年にノーベル経済学賞を受賞したアメリカの経済学者「ユージン・ファーマ」さんが提唱した有名な学説です。
おもしろいことに、効率的市場仮説に批判的立場である「行動ファイナンス理論」派の経済学者、「ロバート・シラー」さんにもノーベル経済学賞が与えられています。
インデックス投資のバイブル
「ウォール街のランダム・ウォーカー」で推奨している負けにくい投資法は、主に次の3つです。
- 長期投資
- 分散投資
- グローバル投資
この3つの要素を満たす投資法こそ“インデックス投資”です。
要は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析を駆使して投資するよりも、多くの個人投資家にとっては、インデックス投資が最適の投資方法であると結論づけています。
インデックス投資を推奨する書籍は多いですが、「ウォール街のランダム・ウォーカー」ほど明確な投資理論で、インデックス投資を推奨している本は少ないと思います。
そのため「ウォール街のランダム・ウォーカー」は、“インデックス投資のバイブル”とも言われています。
「ウォール街のランダム・ウォーカー」を一言でいうなら「インデックス投資 is best」という本です。
「ウォール街のランダム・ウォーカー」はどんな人におすすめ?
「ウォール街のランダム・ウォーカー」は、投資上級者向けの本というわけではないですが、投資本の中でも難しい部類の本だと思います。
しかもボリュームたっぷりの本なので気が引けそうですが、株式投資を志す全ての人におすすめの本です。
特にインデックス投資に興味がある人にはマストの本だといっても過言ではありません。
とりあえずよくわからないところは、あまり深く考えることなく読み進めるのがいいと思います。
どんな本にも言えることですが、初めて読んだときにはよくわからなくても、読み返しているうちに理解が深まっていきます。
株式投資に消極的な人にこそ読んでほしい投資の名著です。
また、株式投資の本を何冊も読みたくはないが、とりあえず一冊ぐらいは株式投資の名著を読みたいという人にも「ウォール街のランダム・ウォーカー」はおすすめだと思います。
「ウォール街のランダム・ウォーカー」の著者ってどんな人?
この本の著書は「バートン・マルキール」という経済学者です。
マルキールさんはプリンストン大学の経済学博士で、アメリカン証券取引所の理事や世界3大ファンドの一つである、バンガード社の社外取締役としても活躍した米資産運用業界の重鎮です。
大統領経済諮問委員会委員なども歴任していたそうです。
マルキールさんは、テクニカル分析に関してはかなり辛辣で否定的です。
「ファンダメンタル分析もテクニカル分析も市場平均を上回るリターンを上げ続けることはできない」と断言しています。
投資リテラシーの向上におすすめの名著
「ウォール街のランダム・ウォーカー」は、初版が1973年という超ロングセラーで、時が経つに連れて時代背景にあった内容を追記する形で改訂されており、2023年に第13版が発売予定です。
かなり古くから長年読み継がれている投資の名著なので、書評などについては多くの方が至る所で紹介されています。
投資に興味がある人にはぜひ読んでみてほしい本です。
インデックス投資は株式投資の最適解(誰がやっても負けにくい)であることは間違いないと思います。
新NISA制度が始まることもあり、ますますインデックス投資は注目されていくことでしょう。
日本人は貯金が大好きで投資には消極的ですが、この本を読んでまずは投資リテラシーの向上に役立ててみてはいかがでしょうか。
ちょっと長いので心が折れそうになるかもしれませんが、時間のある時にでもぜひトライしてみてください。
読破した暁には、きっと投資リテラシーが向上しているはずです!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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