資産運用の全自動サービス「ロボアドバイザー」を提供しているWealthNavi(ウェルスナビ)。
国内ロボアドバイザー市場で圧倒的No.1シェアを誇るWealthNavi(ウェルスナビ)の、2020年12月期通期決算の振り返りと今後の業績見通しを考察します。
WealthNavi(ウェルスナビ)の株に投資しようかと思っている人は参考にしてみてください。
WealthNavi(ウェルスナビ)2020年12月期通期決算内容
WealthNavi(ウェルスナビ)の2020年12月期通期決算の主な内容を振り返ってみましょう。
画像出典:WealthNavi/決算説明資料
会社が発表していた業績予想(2,423百万円)を超える、前期比+62.1%の2,516百万円で通期実績を達成。
営業利益・経常利益・当期純利益は依然赤字が続いていますが、全て赤字幅を大きく縮小しています。
今期(21年12月期)の業績については、新型コロナウィルスの収束時期が不透明であることなどを理由に非開示としています。
上場後はじめての決算発表ということで注目していましたが、まだ赤字ということもあるのか控えめな決算発表という印象を受けました。
今期の業績予想が発表されなかったのは残念ですが、次回の決算では公表されるのではないでしょうか。
財務的には問題なしといった感じで、自己資本比率が45%で有利子負債もありません。
画像出典:kabutan
WealthNavi(ウェルスナビ)今後の業績見通し
株が好きな人は自分で企業分析などをして投資先を決める人がほとんどだと思うので、WealthNavi(ウェルスナビ)を利用して資産運用をする人は少ないと思いますが、WealthNavi(ウェルスナビ)の株は欲しいと思っている人も多いと思います。
そこで気になるWealthNavi(ウェルスナビ)の今後の業績見通しを考察してみましょう。
結論から言うと、WealthNavi(ウェルスナビ)の今後の業績は、まだ成長してく可能性が高いと思います。
それではもう少し詳しく解説します。
解約率が低い
画像出典:WealthNavi/決算説明資料
ウェルスナビのような企業に投資する時は、サービスを継続的に利用している人はどのくらいいるのかということが気になります。
利用者が増えても、同じくらい解約する人がいるなら将来的な成長が見込めません。
平均月次解約率が1%以下というのは、ウェルスナビの今後の成長を考える上で、けっこう期待できる数字ではないかと思います。
もちろん解約率というのは、その時々で変化していくと思いますが、今のところ上々のように思えます。
預かり資産の成長
画像出典:WealthNavi/決算説明資料
2020年12月31日時点での預かり資産が3,291億円となっています。
WealthNavi(ウェルスナビ)は、預かり資産が100億円増えるたびに公式webサイトで公表されており、現時点では既に3,600億円を超えています。
画像出典:WealthNavi/決算説明資料
この預かり資産の増加ペースを見ると今後も伸びていくことが予想され、今期中に4,000億円を突破するのはほぼ間違いなさそうです。
また、新規運用者の預かり資産がその後何%で増加したのかを表す指標のNet AuM retentionが120%+となっています。
画像出典:WealthNavi/決算説明資料
WealthNavi(ウェルスナビ)は預かり資産に対して1%の手数料を徴収するというビジネスモデルになっているので、預かり資産が増加して新規運用者のNet AuM retentionが伸びているのもプラス材料だと言えるでしょう。
機関投資家比率の上昇
画像出典:WealthNavi/決算説明資料
機関投資家というのは、今後の株価上昇を考察する上で欠かせない存在になります。
WealthNavi(ウェルスナビ)は2020年12月に上場したばかりですが、機関投資家比率が上昇しています。
WealthNavi(ウェルスナビ)ぐらいの時価総額(2021/2/15日現在で1,372億円)で、今後の成長が見込めそうな企業は、海外も含めて機関投資家の投資対象になりやすい傾向があります。
近い将来にVC比率が全て解消されて、今後も機関投資家比率の上昇が見込めるのではないかと思います。
競争優位性が高い
国内でロボアドを提供している企業と比較すると、2位と3位を足してもWealthNavi(ウェルスナビ)には及ばず、預かり資産と運用者数がともに圧倒的なNo1です。
画像出典:WealthNavi/決算説明資料
また、ロボアドバイザー市場全体の預かり資産が増加する中、WealthNavi(ウェルスナビ)は市場全体の70%を占めており、競争優位性が高いことがわかります。
画像出典:WealthNavi/決算説明資料
おまかせNISAがスタート
画像出典:WealthNavi/決算説明資料
以前から告知されていたNISAに対応したサービスが、正式に2021年2月17日からスタートすると発表されました。
日本初のNISAに対応した自動資産運用サービスが開始されるという話題性もあり、新たな利用者が増えることが予想されます。
個人向け金融プラットフォームを目指す
画像出典:WealthNavi/決算説明資料
現時点では未提供ですが、今後さまざまなサービスと連携することで利用者の入り口が広がるのは間違いありません。
すでにマネーフォワードなどとの連携が開始されていますが、WealthNavi(ウェルスナビ)がこのような将来を見据えてサービスを拡張して行けたら、個人向けの金融プラットフォームになるというビジョンにも現実性が出てくるのではないでしょうか。
まだ成長の可能性が高い
WealthNavi(ウェルスナビ)はロボアドバイザー市場での圧倒的な優位性と、預かり資産の増加ペースを見ても、まだ成長の可能性が高いと思います。
黒字化するのも時間の問題かと思われ、今後の業績についても当面は堅調に推移していくように思います。
利用者の解約率が高くなったり、預かり資産の増加ペースが鈍化するまでは、株価の上昇が期待できるのではないでしょうか。
WealthNavi(ウェルスナビ)の事業概要
WealthNavi(ウェルスナビ)の事業概要を簡単に紹介します。
資産運用の全自動サービス「ロボアドバイザー」を提供しているWealthNavi(ウェルスナビ)。
資産運用に関わる全てのプロセスを自動化したロボアドバイザーサービスで、預かり資産・運用者数ともに国内No1のシェアを誇ってます。
WealthNavi(ウェルスナビ)では、1990年にノーベル経済学賞を受賞した「ハリー・マーコビッツ」氏が唱えた「現代ポートフォリオ理論」に基づく世界水準の金融アルコリズムを用いて、無数に考えられる組み合わせの中から最適なポートフォリを選んでいます。
運用資金がいくらであろうと同じ数式を使って、完全に中立な立場から国際分散投資を行ってくれます。
リスク許容度に合わせて最適な資産配分を提供
WealthNavi(ウェルスナビ)は年代や収入、資産の額や投資の考え方を基準にして5つの質問から得た回答をもとに、リスク許容度(どの程度リスクを取れるか)を診断しています。
リスク許容度によって、最も高いリターンが期待できるポートフォリオを組むのが有効で、一人ひとりに合った「最適ポートフォリオ(最適な資産配分)」を5段階に分けて提供しています。
代表取締役CEO柴山さんの経歴
WealthNavi(ウェルスナビ)の代表取締役CEO柴山さんは、日英の財務省で合計9年間活躍されていたという経歴の持ち主です。
東京大学法学部やハーバード・ロースクール、欧州経営大学院のINSEADを卒業されていて、ウォール街の機関投資家のリスク管理と資産運用に携わり、ニューヨーク州弁護士の資格もお持ちのようです。
また、世界のトップ企業で外資系コンサルティング会社の「マッキンゼー・アンド・カンパニー」でも活躍されていたようです。
上場企業の社長さんといえば、輝かしい経歴をお持ちの方が多いですが、柴山さんの経歴は眩しすぎて目が眩みます・笑
官民、最高峰の金融機関で経験を積んだ、金融界のトップアスリートともいえますね。
柴山さんは自らの口座で運用しているウェルスナビの運用実績を、公式webサイトで公開しています。
また、柴山さんはWealthNavi(ウェルスナビ)創業時のエピソードや、自らの投資体験などを記した本も出版されています。
こんな華麗な経歴を持つ柴山社長ってどんな人なんだろう?っていう興味がある人にはおすすめです。
柴山さんの人間性や、投資に対する理解も深まる、いい本だと思います。
まとめ(結論)
今回はWealthNavi(ウェルスナビ)2020年12月期通期決算振り返りと今後の業績を考察してみました。
結論として、WealthNavi(ウェルスナビ)はまだ成長フェーズにあると思われ、今後も業績UPが期待できるのではないかと思います。
個人的にはWealthNavi(ウェルスナビ)を利用する方ではなく、投資家として応援しようと思います・笑
今後も個別株をできるだけ簡単に分かりやすく紹介してみたいと思いますので、よろしければ参考にしてみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。