まぐれ「Fooled by Randomness (The Hidden Role of Chance in Life and in the Markets)」

【投資家必見のおすすめ本】投資家はなぜ運を実力と勘違いするのか?

どうもクラタツです!

今回は、金融デリバティブのトレーダーであり不確実性科学が専門の教授が書いた名著「まぐれ(邦題)」を紹介します。

普通の投資本とはかなり趣向が異なりますが、投資家や投資に興味がある人にはおすすめの本です。

投資家はなぜ運を実力と勘違いするのか?

著者の「ナシーム・ニコラス・タレブ」さんは不確実性科学が専門で、パリ大学では経営科学の博士号を取得しています。

ニューヨークとロンドンで20年にわたる金融トレーダーとしての経験を持ち、ご自身でもヘッジファンドを運用していた“金融業界の知の巨人”といった感じのような方です。

原書は「Fooled by Randomness (The Hidden Role of Chance in Life and in the Markets)」というタイトルの本で、Googleさんに直訳してもらうと「ランダムネスにだまされる人生と市場におけるチャンスの隠された役割」ということです。

大まかな本の内容としては、投資の技術論的なことや銘柄選定術みたいなことは一切ありません。

この本は「投資家はなぜ運を実力と勘違いするのか?」ということを、様々な観点から著者の深い洞察力と独特のシニカルな表現で説明されています。

よくある投資本とは趣旨が異なり、投資における不確実性について造詣の深さが感じられます。

著名投資家のエピソード

この本では著名な投資家のエピソードが所々で紹介されています。

「イングランド銀行を潰した男」として知られる「ジョージ・ソロス」や、そのソロスのファンドのファンド・マネージャーにも抜擢された伝説の投資家「ヴィクター・ニーダーホッファー」についてのエピソードなどが語られています。

著者のナシーム・ニコラス・タレブさんが運営していた「Empirica LLC」という金融ファンドの名前は、ヴィクター・ニーダーホッファーの「実証できることは、必ず実証してみるべきだ」という言葉から取られたのだそうです。

皮肉屋の著者が「今までこれほど頭の良い人物には会ったことがない」と言わしめるほど、ヴィクター・ニーダーホッファーからは多くのことを学んだと語られていますが、影響を受けた人でもあったのでしょうね。

ヴィクター・ニーダーホッファー(Victor Niederhoffer)

ハーバード大学で統計学と経済学の学士号を取得、シカゴ大学で博士号を取得。1967年から1972年までの5年間、カリフォルニア大学バークレー校にてファイナンスの教授を務めた。1965年、学生であった彼は友人のフランク・クロスと共に、非上場企業を買収し上場企業に売却する目的での投資銀行を共同設立した。

1980年には投資ファンドを設立しパフォーマンス的にも成功を収めると、それがジョージ・ソロスの目にとまり、ソロスのファンドのパートナーとして招かれた。ニーダーホッファーは1982年から1990年までソロスのファンドに在籍したが、ソロスはニーダーホッファーのことを「相場で勝ち続けながらも(ソロスの元を)自ら去った、唯一のファンドマネジャー」と高く評価しており、自分の息子に彼の元でトレーディングを学ばせたほどである。

その後1996年までニーダーホッファーは高いパフォーマンスを続け、世界一の投資家と称えられたが、1997年のアジア通貨危機で大敗し、彼のファンドも破綻に追い込まれた。
出典:ウィキペディア(Wikipedia)

日本では有名デイトレーダー「B・N・F」さんのハンドルネームの由来となった人としても有名です。

個人的な感想

本を読み進めて行くと著者の皮肉っぽい表現が、「まぐれ」というシニカルな翻訳版のタイトルに反映されたのかな・・と感じました。

個人的には原書のタイトルをそのまま使った方が良かったのではないかと感じます。副題まで含めるとちょっと長いですけどね・笑

金融市場が主な題材として語られていますが、投資の指南書というよりは、あくまでも人間の本質的なことにフォーカスしている本です。

投資本ではありがちな、リスク管理や確率論的な手法などの投資理論とは切り口が全然違います。

金融市場や日常生活においては、「偶然や運」という不確実性なことが、人間の思考や感情にどういう影響を与えているかということを説いています。

研究者としての強いこだわりが感じられ、自分自身を俯瞰的に見ることの大切さに気づかされます。

金融取引の技術的な手法や方法論ではなく、不確実性について深く考えさせられる本です。

あらためて自分自身の浅はかさを痛感しました・・・

まとめ

まぐれ Fooled by Randomness (The Hidden Role of Chance in Life and in the Markets)
長い期間過ごした金融市場でのさまざまな出来事を通して、人間心理と感情への洞察の深さはとても興味深いです。

著者のナシーム・ニコラス・タレブさんは語学にも堪能で、英語・フランス語・ギリシャ語などの多言語を話すことができるようです。

行動経済学や哲学などについても造詣が深いようで、知的探究心がとても旺盛な方なんでしょうね。

この本が面白いと感じたら、「ブラック・スワン(不確実性とリスクの本質) 」も読んでみるといいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。