今回は先日(2020/5/14)決算が発表された「KDDI(9433)」 株の、今後の見通しや投資のポイントについて分析してみます。
- KDDI(9433)の主な決算内容
- KDDI(9433)の今後の見通し
- KDDI(9433)の今後の課題
- KDDI(9433)株への投資のポイント
KDDI(9433)の主な決算内容
では早速KDDI(9433)の2020年3月期(2019年4月1日~2020年3月31日)の連結決算内容から、主なポイントを見ていきましょう。
画像出典:kabutan
安定の高配当銘柄の決算ということで、注目のKDDI(9733)の決算でしたが、今季も過去最高益を記録する増収増益の好決算となっています。
売上高は5兆2,372億円(前期比3.1%増)、営業利益は1兆0,252億円(前期比1.1%増)、経常利益は1兆0,206億円(前期比1.0%増)、最終利益は6,397億円(前期比3.6%増)となっています。
直近3ヶ月(1~3月期)実績
画像出典:kabutan
直近3ヵ月(1~3月期(4Q))の実績は売上高こそ2.0%増でしたが、連結最終利益は1,088億円(前年同期比2.7%減)となり、売上営業利益率も13.6%に低下しました。
今期純利益予想
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21年3月期も僅ながら増益(6,400億円)を見込み、8期連続で過去最高を更新する見通しとなっています。
配当推移
画像出典:KDDI/2020年3月期決算説明資料
今期の年間配当は、前期比5円増の120円に増配する方針です。
配当利回りは3.8%となり、連続配当は19期連続に更新される見通しとなりました。
ライバルのNTTドコモの連続増配は6期で終了し、今期の配当は据置が発表されていましたが、KDDIは「19期連続DPS(1株あたり配当金)成長を目指す」としています。
さすがKDDI、株主還元意識の高さではNTTドコモを凌駕していますね。
収益性
画像出典:kabutan
ROEは14.60%でROA6.68%と高く、売上営業利益率は19.62%で、通信事業の収益性の高さが伺えます。
こんな状況下でも通信事業の収益性は安泰のようですね。
- ROE:10%以上だと優秀
- ROA:5%以上だと優秀
- 売上営業利益率:10%以上だと優秀
財務実績
画像出典:kabutan
自己資本比率が減少しているとはいえ、45.8%というのは全く問題ないレベルといってもいいでしょう。
有利子負債倍率も0.38%なので、財務面の健全性が伺えます。
- 自己資本比率:40%以上だと安全水準
- 流動比率:120%以上だと安全水準
- 有利子負債倍率:1倍以下が理想
KDDIの今後の見通し
今後の見通しについて、主に以下の点について考えてみましょう。
- UQmobileとの事業統合で通信事業は今後も安定
- 5G時代の到来でビジネスチャンス拡大
UQmobileとの事業統合で通信事業は今後も安定
画像出典:KDDI/2020年3月期決算説明資料
もともとauのネットワークを利用していた人気のMVNO「UQmobile」との事業統合で、通信事業はさらなる成長が期待できて今後も安定した収益が見込めそうです。
UQmobileの契約数は既に200万契約に達して、さらに傘下のBIGLOBEやJ:COMもMVNOとして携帯電話サービスを提供しており、KDDIの通信事業は盤石な体制が整いそうです。
5G時代の到来でビジネスチャンス拡大
高速大容量が売りの次世代通信規格「5G」がいよいよ日本でも開始されました。
総務省の比較審査基準の結果、KDDIとNTTドコモは5Gの周波数帯が3枠割り当てられています(ソフトバンクと楽天は2枠)。
これからの通信事業は、5Gを利用したさまざまなサービスの利用が期待されており、大手通信キャリアのKDDIにとっては大きなビジネスチャンスとなります。
KDDIのの今後の課題
次にKDDIのの今後の課題について、主に以下の点について考えてみましょう。
- 携帯電話事業以外の収益性向上
携帯電話事業以外の収益性向上
KDDIに限ったことではありませんが、携帯電話事業の契約者数は年々鈍化しており、主力の携帯電話事業は既に成熟しています。
また、総務省からも再三にわたって通信費の値下げを指摘されており、携帯電話事業の収益性は減少傾向にあります。
大手通信キャリアは、通信インフラへの膨大な設備投資費用が必要です。今後は、いかに他の事業セグメントの収益性を向上していくかが課題といえそうです。
KDDI(9733)への投資ポイント
現在の業績や今後の見通しから、KDDI(9733)株への投資のポイントを考えてみます。
KDDI(9733)の現在(2020/5/15)の株価は3,165円です。PERは11.4倍でPBRは1.66倍と、株価は割安と言えるでしょう。
不況にも強いというのは決算をみても明らかで、連続配当は19期連続に更新される見通しの財務優良銘柄です。
国内トップクラスの人気高配当銘柄で、株主優待もあるという株主還元意識の高さは好印象しかありません。
すでに時価総額が7兆円を超えており、これから株価が大きく値上がりすることは期待できないかもしれませんが、高配当株ポートフォリオには組み入れたい銘柄です。
- 高配当株投資に最適
まとめ
KDDI(9733)の決算内容から、今後の見通しや投資のポイントについて分析してみました。
一言でまとめると、「不況にも強い安定の高配当株銘柄」といった感じでしょうか。
このブログでは株式投資にまつわる疑問や個別株の分析など、株式投資に役立つ情報を発信しております。
今後も個別株をできるだけ簡単に分かりやすく紹介してみたいと思いますので、よろしければ参考にしてみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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