【米国高配当株ETF】VYM・HDV・SPYDの比較と特徴

【米国高配当株ETF】VYM・HDV・SPYDの比較と特徴

【米国高配当株ETF】VYM・HDV・SPYDの比較と特徴

高配当株投資の中でも米国株に分散されている米国高配当株ETFが人気です。

米国高配当株ETFといえば「VYM」・「HDV」・「SPYD」の3択といってもいいでしょう。

投資の目的は人それぞれだと思いますが、基本的に高配当株投資はインカムゲインを目的とする投資です。

米国高配当株ETFへの投資は、主に以下のような目的の人におすすめです。

  • 米国の高配当株に分散投資がしたい
  • 定期的な収入(インカムゲイン)が欲しい

今回は米国高配当株ETFのトップスリー、「VYM」・「HDV」・「SPYD」を比較して、それぞれどのような特徴があるのかを簡単に解説してみます。

VYM・HDV・SPYDのベンチマークと銘柄構成

まずは「VYM」・「HDV」・「SPYD」のベンチマークする指数や銘柄構成などを比較してみましょう。

この比較を見れば、この3つのETFの大まかな違いや特徴が見えてくると思います。

ETF名 VYM HDV SPYD
運用会社 バンガード ブラックロック ステート・ストリート
ベンチマーク FTSE ハイディビデンド・イールド・インデックス モーニングスター配当フォーカス指数 S&P500高配当指数
銘柄構成 米国株式市場の配当利回りが高い400以上の銘柄で構成。 財務の健全性が高く持続的に平均以上の配当を払うことができる米国の財務優良企業約75の銘柄で構成。 S&P500指数の構成銘柄の中からREITを含む配当利回りが高い上位80銘柄で構成。
ウェイト方式 時価総額加重 配当金総額加重 均等加重
リバランス 年1回 年4回 年2回

この3つのETFを運用しているのは、資産運用会社のビッグスリーと言われるバンガード(VYM)ブラックロック(HDV)ステートストリート(SPYD)です。

バンガードブラックロックに関しては、それぞれ1社だけで運用資産残高が東証1部の取扱時価総額を上回るという巨大っぷりです。

ベンチマークする指数は異なりますが、いずれも高い配当利回りの銘柄で構成される指数に連動した投資成果を目指しています。

VYMの特徴

VYMがベンチマークする「FTSE ハイディビデンド・イールド・インデックス」は、米国株式市場における配当利回り上位の銘柄で構成されていて、REITは除外されています。

REITと1年先までの定期配当予想値が無配の銘柄を除外した上で、残りの銘柄から配当利回りの高い上位約400銘柄に選定されます。

選ばれた約400名柄は時価総額加重平均を用いて銘柄構成に組み込まれるため、銘柄数は一定ではなく流動的な約400銘柄になります。

銘柄構成数は3つのETFの中では圧倒的に多いものの、時価総額の大きい会社ほど組み組まれる確率が高くなる傾向があります。

リバランス(構成銘柄の見直し)は年1回行われます。

HDVの特徴

HDVがベンチマークする「モーニングスター配当フォーカス指数」は、財務の健全性が高くて持続的に平均以上の配当を支払うことのできる、米国の優良企業約75銘柄で構成されていて、REITは除外されています。

構成銘柄は「モーニングスター米国市場インデックス」に属する銘柄を対象として、平均以上の収益性と継続的な配当が可能かなど、モーニングスターが定める厳正な基準をクリアした銘柄が選定されます。

構成銘柄の比率は配当金総額加重配分で、企業が支払った配当総額に基づいて加重されています。そのため時価総額が大きく、配当利回りが高いほど銘柄比率は高くなる傾向があります。

銘柄構成数は3つのETFの中では1番少ないものの、リバランスは年4回行われ、3つのETFの中では最も銘柄の入れ替わりが多い傾向があります。

SPYDの特徴

SPYDがベンチマークする「S&P500高配当指数」は、S&P500の構成銘柄のうち、REITを含む高配当利回り上位80銘柄で構成されています。

3つのETFの中では一番新しくできたETFで、唯一REITを含んでいるという特徴があります。

株式だけではなくREITも組み入れて、特定の銘柄や時価総額に関係なく、構成銘柄の比率は均等加重配分によって80銘柄にほぼ均等に投資されます。

配当利回りは3つのETFの中で最も高い傾向にあり、リバランスは年2回行われます。

VYM・HDV・SPYDの主な投資セクター(業種)

「VYM」・「HDV」・「SPYD」の投資セクターを比較してみましょう。

構成銘柄数や主要なセクター構成についてはその時々で見直されますが、この記事を書いた時点でのセクター構成比率を参考に、上位10セクターを比較してみます。

ETF名 VYM HDV SPYD
セクター比率1位 金融(18.4%) エネルギー(23.60%) 不動産(20.17%)
セクター比率2位 消費財(13.8%) 通信(17.27%) 一般消費財・サービス(16.24%)
セクター比率3位 ヘルスケア(13.3%) ヘルスケア(16.38%) エネルギー(11.56%)
セクター比率4位 テクノロジー(10.3%) 金融(10.82%) 公益事業(11.17%)
セクター比率5位 消費サービス(9.3%) 生活必需品(9.66%) 生活必需品(10.10%)
セクター比率6位 公益(8.6%) 公益事業(7.82%) 金融(9.20%)
セクター比率7位 資本財(8.4%) 情報技術(7.34%) 情報技術(6.52%)
セクター比率8位 石油・ガス(8.2%) 資本財・サービス(4.96%) 電気通信サービス(5.28%)
セクター比率9位 電気通信(5.1%) 一般消費財・サービス(1.92%) 素材(4.69%)
セクター比率10位 素材(3.6%) キャッシュ・デリバティブ等(0.16%) ヘルスケア(2.74%)

セクター比率から見るVYMの特徴

VYMのセクター比率は上位から金融、消費財、ヘルスケアの順となっており、景気に敏感な金融セクターへの投資比率が最も高いという特徴があります。

そのため景気の影響を大きく受ける傾向があるといえますが、不況時にも強い消費財やヘルスケアへの比率を高くすることで、リスクを分散しているようです。

リーマンショックのような金融危機が頻繁に起こることはないと思いますが、金融株を多く含んでいるということで、良くも悪くも景気の動向が気になるETFといえそうです。

セクター比率から見るHDVの特徴

HDVはエネルギーセクターの比率が最も高いことからも分かる通り、ディフェンシブ銘柄への投資比率が高いETFといえます。

そのため値動きは地味でも景気に左右されずらいという特徴があり、3つのETFの中では下落相場での耐性が最も強いと言えるでしょう。

なるべくリスクを抑えて安定的な配当利回りを望むならHDVが適していると思います。

セクター比率から見るSPYDの特徴

SPYDは、他の2つのETFが除外しているREITを含んでいるという特徴があり、不動産セクターへの投資比率が最も高くなっております。

不動産セクターは配当利回りが高く、SPYDはVYMとHDVに比べて配当利回りが最も高くなっていますが、景気後退時にはどのような影響がでるのかは未知数なところもあります。

SPYDは2015年にできたばかりのファンドですが、株式ではなく不動産セクターへの比率を高くするという戦略が功を奏し、人気急上昇のETFです。

VYM・HDV・SPYDの各パフォーマンス比較


画像出典:Yahoo finance

過去5年分の株価の比較で、青がVYMで水色がHDV、紫がSPYDです。

SPYDはできてから5年が経っていないので純粋な比較はできませんが、VYMのパフォーマンスが良いことが分かります。

高配当株のETFということで、同じような動きをしていますね。

経費率と配当利回り

ETF名 VYM HDV SPYD
経費率 0.06% 0.08% 0.07%
直近の配当利回り 3.34% 3.19% 5.10%
資産総額 約300億ドル 約77億ドル 約21億ドル

経費率(信託報酬率)はETFを保有しているだけでかかるコストですが、0.06%~0.08%とどれも格安です。

VYMは歴史が古いので資産総額は圧倒的に多いですが、直近の配当利回りはSPYDが高いですね。

まとめ

米国高配当株ETFの「VYM」・「HDV」・「SPYD」について、それぞれの特徴を比較してみました。

どのETFを選ぶかは投資セクターの好み次第といったところでしょうか。

より多くの高配当銘柄に分散投資したいならVYM1択です。また、HDVとSPYDを組合わせるのもいいかもしれません。

個人的にあえてどれか一つを選ぶならVYMです。

高配当の個別銘柄で複数の銘柄に分散投資するには、ある程度の資産が必要で企業を分析する手間もかかります。

ETFなら少額から高配当株に分散投資が出来るというのも魅力です。

大事な点として、高配当株投資はインカムゲインを目的とする投資だということは理解しておきましょう。

最後にそれぞれの特徴をまとめてみます。最後まで読んでいただきありがとうございます。

  • 最も多くの400以上の銘柄に分散投資している高配当株ETFの超定番
  • 主要な投資先は金融セクター
  • 米国の財務優良企業約75社へ分散投資
  • 主要な投資先はディフェンシブ銘柄のエネルギー
  • S&P500構成銘柄のREITを含む高配当利回り上位80銘柄にほぼ均等に投資
  • 株式だけではなくREIT(不動産)にも投資
PR広告
SBI証券[旧イー・トレード証券]

国内株式取引シェアNo.1

国内株式取引シェアNo.1、業界屈指の格安手数料No.1、問い合わせ窓口格付け・WEBサポート格付け最高評価獲得。SBI証券のアクティブプランは、取引合計額300万円まで取引手数料が無料です。
スポンサーリンク