先日「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2020」が発表されました。
今回のランキングを見て感じたことなど、自分なりの感想を書いてみたいと思います。
2年連続のFund of the Yeareに輝いたeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
前回2019年に続き2年連続のFund of the Yeareに輝いたのは、三菱UFJ国際投信が運用している「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」。
2位に79ポイント差をつけての圧勝となりました。もはや殿堂入りの勢いというか不動の人気ですね。
これ1本で日本を含む先進国や新興国の約50ヵ国に国際分散投資できるということに加え、約0.1%というコストの安さも人気の理由だと思います。
個人的にeMAXIS Slimシリーズなら「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の方が好みですが、文句なしの栄冠だと思います。
投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2020のTOP10は以下の通りです。
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)/三菱UFJ国際投信
- <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド/ニッセイアセットマネジメント
- バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)/ザ・バンガード・グループ・インク
- セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド/セゾン投信
- ひふみ投信/レオス・キャピタルワークス
- eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)/三菱UFJ国際投信
- eMAXIS Slim先進国株式インデックス/三菱UFJ国際投信
- eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)/三菱UFJ国際投信
- eMAXIS Slim米国株式(S&P500)/三菱UFJ国際投信
- 農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね/農林中金全共連アセットマネジメント
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)が9位に転落
前年度は2位だったeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)が9位だったというのはちょっと驚きましたね。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)と人気を2分していたeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)でしたが、2020年のコロナショックの影響もあってか、アメリカ1国への集中投資はカントリーリスクが大きいと懸念されたのでしょう。
しかしながらパフォーマンスは下の通り。
画像出典:三菱UFJ国際投信/比較チャート
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)がアウトパフォームしています。
コロナショックからの米国株の回復が凄かったというのはさておき、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)も、投資先国の構成比率の大半を占める(56.6%)のが米国株です。
良くも悪くも米国株の影響を大きく受けるので、パフォーマンスにもそれほど差がつきません。
また、アメリカの56.6%に次いで2番目に構成比率が高いのが日本の7%です。eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の構成比率はアメリカと日本で60%以上ということになります。
アメリカ経済が傾けば、ほぼ日本の経済も傾くということを考えると、分散効果はそれほど期待できないように感じてしまいます。
なので現時点では、eMAXIS Slimシリーズなら個人的にはeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)推しです!
成長著しい中国の構成比率(現時点では4.9%)を高くするなど、今後eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の投資先国の構成比率が大きく変われば別ですけどね・笑
アクティブ投信がTOP10にランクイン!
今回の「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2020」では、アクティブ投信が2つTOP10にランクインしています。
インデックスファンドの全盛期ともいえるこの時代に、アクティブファンドがTOP10に2つもランクインするというのも考え深いですね。
「ひふみ投信」が2019年の14位から5位にジャンプアップ。もう一つのアクティブ投信である「農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね」は2019年の12位から10位にランクインしています。
ひふみ投信を運営するレオス・キャピタルワークスの代表である藤野さんは、さまざまなメディアに出演することもあり、とても有名な方です。
カリスマファンドマネージャーと呼ばれた藤野さんの運用実績に対する信頼感や、運用哲学に共感するという人も多いのかもしれません。
2020年の金融相場はとても不安定な一年でした。アクティブファンドはインデックスファンドに比べて運用コストは高めですが、運用コストが少々高くても実績があって信頼できる会社に手堅く運用してほしいという心理の現れなのかもしれませんね。
eMAXIS Slimシリーズ強し!
Fund of the Year 2020に輝いたeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)を始め、eMAXIS SlimシリーズはTOP10に5つもランクインしてます。
eMAXIS Slimシリーズの人気の秘密は、業界最低水準の運用コストにあります。
「将来にわたって業界最低水準の運用コストを目指し続ける」というポリシーのもとに、継続的に運用コストの見直しが実施されています。
ライバル会社のファンドが信託報酬を下げたら、eMAXIS Slimシリーズもすぐに追随して信託報酬の引き下げが行われます。
このようなことから多くの投信ブロガーさんや個人投資家から高い支持を受けているeMAXIS Slimシリーズ。
2019年から見ると、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)を除くと順位は下がったものの、やはりeMAXIS Slimシリーズは安定した人気がありますね。
投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2020のTOP10にランクインしたeMAXIS Slimシリーズの比較チャートは以下のとおりです。
画像出典:三菱UFJ国際投信/比較チャート
投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2020とは
日々投資信託の情報発信をしているブロガーさんたちが、証券会社などへの忖度なしに良いと思える投資信託を投票で選び、自分たちでより良い投資環境を作っていこう!というイベントです。
運営は全て無償(ボランティアによって)で行われており、表彰式にかかるイベントホールの使用料など、運営費は全て表彰式の入場料でまかなわれています。
今回2020年についてはオンラインチケットの料金でまかなわれる予定のようです。
2007年から行われ、翌年の2回目からは上位入賞した投資信託の運営会社の方に来ていただいて表彰式を開催しています。
10周年目の2016年には、個人投資家による有意義なイベントとして、当時の金融庁長官だった森信親さんからお祝いのメッセージがありました。
まとめ
今回の「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2020」では、一つの国や株式のみの資産ではなく、地域や資産をバランスよく分散投資するファンドが注目されているようです。
一言でいうと「より手堅く」といった印象を受けました。
国際分散投資で株式や債券にバランスよく分散投資するファンドが今後も増えるかもしれませんね。
このブログでは株式投資にまつわる疑問や個別株の分析など、株式投資に役立つ情報を発信しておりますので、よろしければ参考にしてみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。