新NISAの成長投資枠では半導体関連の投資信託を買いたいという人もいると思います。
本記事では『ニッセイSOX指数インデックスファンド』と『楽天・SOXインデックス・ファンド』について考察してみたいと思います。
ニッセイSOX指数インデックスファンドと楽天・SOXインデックス・ファンドは、新NISA成長投資枠の対象商品になっており、新NISAではつみたて投資枠と成長投資枠の併用も可能になります。
※掲載した情報は記事執筆時点のものです。
信託報酬などは変更になる場合があるので、実際に投資する際は各ファンドの公式HPでご確認ください。
ニッセイSOX指数インデックスファンドと楽天・SOXインデックス・ファンドの比較
ニッセイSOX指数インデックスファンドと楽天・SOXインデックス・ファンドの信託報酬などを比較をしてみましょう。
商品名 | 楽天・SOXインデックス・ファンド | ニッセイSOX指数インデックスファンド |
---|---|---|
ベンチマーク | SOX指数(フィラデルフィア半導体株指数) ※注1(円換算ベース) |
|
構成銘柄数 | 半導体関連の30銘柄 | |
ウェイト | 時価総額加重平均 | |
購入時手数料 | なし | |
換金時手数料 (信託財産留保額含む) |
なし | |
為替ヘッジ | なし | |
運用管理費 (信託報酬) |
0.176%(年率) | 0.1815%(年率) |
ポイント付与率 証券会社限定 |
0.05%(年率)※楽天証券限定 投信残高ポイントプログラム |
0.05%(年率)※SBI証券限定 投信マイレージサービス |
純資産総額 (2024/3月時点) |
70.72億円 | 215.33億円 |
設定日 | 2024/1/30 | 2023/3/31 |
信託期間 | 無期限 | |
決算日 | 原則として毎年10月15日 (休業日の場合は翌営業日) |
9月20日 (休業日の場合は翌営業日) |
運用(委託)会社 | 楽天投信投資顧問 | ニッセイアセットマネジメント |
ニッセイSOX指数インデックスファンドのベンチマークについては、(配当込み、円換算ベース)となっています。
楽天・SOXインデックス・ファンドは(円換算ベース)としか記載されていません。
この辺の記載については運用会社によって異なっており統一されていないようです。
楽天・SOXとニッセイSOXの信託報酬の比較
2024年3月時点の楽天・SOXインデックス・ファンドとニッセイSOX指数インデックスファンドの信託報酬は以下の通りです。
ファンド名 | 信託報酬 【2024/3月時点】 |
---|---|
楽天・SOXインデックス・ファンド | 0.176%(年率) |
ニッセイSOX指数インデックスファンド | 0.1815%(年率) |
楽天・SOXとニッセイSOX 純資産総額の比較
2024年3月時点の楽天・SOXインデックス・ファンドとニッセイSOX指数インデックスファンドの純資産総額も比較してみましょう。
投資信託の運用コストに関しては、純資産総額が大きい方がスケールメリットが働きやすく、運用も安定しやすくなります。
ファンド名 | 純資産総額 【2024/3月時点】 |
---|---|
楽天・SOXインデックス・ファンド | 70.72億円 |
ニッセイSOX指数インデックスファンド | 215.33億円 |
楽天・SOXとニッセイSOXのポイント付与率の比較
楽天・SOXインデックス・ファンドとニッセイSOX指数インデックスファンドのポイント付与率についても比較してみましょう。
ファンド名 | ポイント付与率(年率) |
---|---|
楽天・SOXインデックス・ファンド | 0.05% 楽天証券限定 |
ニッセイSOX指数インデックスファンド | 0.05% SBI証券限定 |
SOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)の特徴
ニッセイSOX指数インデックスファンドと楽天・SOXインデックス・ファンドがベンチマークしている、SOX指数について簡単に解説します。
半導体関連30銘柄で構成
SOX指数の正式名称は『PHLX Semiconductor Sector Index(フィラデルフィア半導体指数)』です。
SOX指数は、米国の株式市場に上場している主要な半導体関連30銘柄で構成されています。
SOX指数の組入上位10銘柄
SOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)に採用されている、組入上位10銘柄を見てみましょう。
下記データは2023年12月末時点にニッセイアセットマネジメントからリリースされている、マンスリーレポートに掲載されている組入上位10銘柄です。
※対組入株式等評価額比
画像出典:ニッセイアセットマネジメント/マンスリーレポート
時価総額加重平均型
SOX指数は半導体の設計や製造、流通、販売などを行っている銘柄で構成されており、1993年12月1日を基準値100として、算出方法は時価総額加重平均で算出されるという特徴があります。
リバランスは四半期毎
SOX指数のリバランスは、通常3月・6月・9月・12月の四半期毎に行われます。
新NISAでテーマ型の投資信託を買っても大丈夫?
新NISAの成長投資枠では多種多様な商品に投資可能で、特定のテーマや業種に特化したテーマ型の投資信託も多くあります。
ニッセイSOX指数インデックスファンドと楽天・SOXインデックス・ファンドも、半導体関連企業に特化したテーマ型の投資信託と言えるでしょう。
テーマ型の投資信託については様々な意見があり、テーマ型の投資信託は新NISAで買ってはいけないという意見もあるようです。
分散効果は期待できない
テーマ型の投資信託には様々な種類のものがあります。
近年だとAI関連銘柄に特化したものや、半導体関連銘柄に特化したものなど様々です。
例えば本記事で取り上げた、ニッセイSOX指数インデックスファンドや楽天・SOXインデックス・ファンドへの投資は、半導体関連企業への集中投資です。
つまり、業種の分散効果は期待できません。
基本的にテーマ型のファンドは、業態などのテーマに特化して作られているので、資産運用の王道である分散効果はほぼ期待できません。
広く分散するのではなく、一点集中のファンドだということは理解する必要があります。
テーマ型ファンドのメリット
テーマ型ファンドはリスクが高い印象が強いですが、必ずしも買ってはいけないということはないと思います。
ファンドの特徴を理解している人にとっては、有力な選択肢になり得ます。
例えば将来有望な個別の半導体関連企業に投資をしたいということもあるでしょう。
そのような場合、株式投資の上級者でもない限り、投資対象の企業を一つ一つ調べるのは結構大変で時間もかかります。
また、将来のことは誰にもわかりません。
テーマ型ファンドなら、その業種の主要銘柄にまとめて投資できるので、個別銘柄に投資を検討している人にとっては効率よく投資できるというメリットがあるでしょう。
アクティブファンドの代替として活用
テーマ型のインデックスファンドが注目され始めたのは、運用コスト(信託報酬)が低くなったのが一番の理由だと言えます。
ニッセイSOX指数インデックスファンドと楽天・SOXインデックス・ファンドに関しては、信託報酬が0.2%以下(実質コストを除く)に設定されており、一昔前では考えられないくらいの低水準です。
運用コストが高いアクティブファンドの代替としても、テーマ型のインデックスファンドは有力な選択肢になり得ると思います。
テーマ型ファンドは中・上級者向け
個人的にテーマ型のファンドは、ある程度の投資経験がある人向けの投資信託だと思っています。
これまで説明してきたように、集中投資のリスクがあるということを忘れてはいけません。
新NISAで買ってはいけないとは思いませんが、投資の目的は明確にして、リスク許容度についての理解も必要でしょう。
そのような点を鑑みても、投資初心者がいきなり買うようなファンドではないということがわかると思います。
テーマ型のファンドに投資する際は、ファンドの特徴をしっかり理解してから投資するようにしましょう。
新NISAで投資するならどっち?
結論から言うと、新NISA口座が楽天証券なら楽天・SOXインデックス・ファンド、新NISA口座が楽天証券以外ならニッセイSOX指数インデックスファンドでいいと思います。
信託報酬の差は微々たるもの
実質コストについてはまだわかりませんが、信託報酬だけで見ると現時点(2024年3月時点)では楽天・SOXインデックス・ファンドの方が低くなっています。
ファンド名 | 信託報酬 【2024/3月時点】 |
---|---|
楽天・SOXインデックス・ファンド | 0.176%(年率) |
ニッセイSOX指数インデックスファンド | 0.1815%(年率) |
しかし、その差は微々たるもので、今後ニッセイSOX指数インデックスファンドが同水準に信託報酬を下げることも考えられます。
このくらいの差なら、新NISA口座を開設している方の証券会社によって選択すればいいと思います。
ニッセイSOXもポイントが貰える?
新NISA口座が楽天証券の場合、ポイントが貰えるのは「投信残高ポイントプログラム」サービスの対象である楽天・SOXインデックス・ファンドの方です。
ニッセイSOX指数インデックスファンドは「投信残高ポイントプログラム」サービスの対象ではないので、楽天証券で購入してもポイントを貰うことはできません。
しかし、ニッセイSOX指数インデックスファンドをSBI証券で購入する場合は、「投信マイレージサービス」があるので、同じ0.05%(年率)のポイントを貰うことが出来ます。
あくまでもポイントサービスは各証券会社の独自サービスですが、楽天証券とSBI証券ではポイント付与率という点でもメリットは同じです。
純資産総額を重視するならニッセイSOX指数インデックスファンド
投資信託の運用コストに関しては、純資産総額が大きい方がスケールメリットが働きやすく、運用も安定しやすくなります。
運用開始が早かった分、純資産総額ではニッセイSOX指数インデックスファンドの方が大きく、現時点(2024年3月時点)で既に200億円を超えています。
今後この差は縮まっていくと思いますが、現時点での純資産総額を重視するならニッセイSOX指数インデックスファンドの方がいいでしょう。
注目を集める半導体インデックスファンド
今回は楽天・SOXインデックス・ファンドとニッセイSOX指数インデックスファンドについて考察してみました。
半導体関連銘柄は注目が高いので、新NISAの成長投資枠では半導体関連銘柄への投資を検討している人も多いと思います。
信託報酬が低い半導体インデックスファンドは、運用コストが高いアクティブファンドの代替としても魅力です。
最後のまとめとして、この2つのファンドの特徴をまとめておきます。
楽天・SOXインデックス・ファンド | ニッセイSOX指数インデックスファンド |
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