新NISAの成長投資枠は何に投資しようか迷っていませんか?
新NISA開始にあたり、新たに魅力的な投資信託が続々と誕生しています。
新NISAではつみたて投資枠と成長投資枠の併用も可能になります。
この記事では、新NISAの成長投資枠で投資したい話題のインデックスファンド「ニッセイSOX指数インデックスファンド(米国半導体株)」と「ニッセイNASDAQ100インデックスファンド」を比較して、どっちがいいかを考察してみたいと思います。
※掲載した情報は記事執筆時点のものです。
信託報酬などは変更になる場合があるので、実際に投資する際は各証券会社の公式HPでご確認ください。
新NISAの成長投資枠で買うならどっち?
画像出典:ニッセイアセットマネジメント
新NISAの「つみたて投資枠」では、一定条件を満たした投資信託でないと購入することができません。
現時点(新NISA開始時点)で「ニッセイSOX指数インデックスファンド」と「ニッセイNASDAQ100インデックスファンド」は、つみたて投資枠の対象商品ではありません。
この2つの投資信託が気になっている人も多いと思いますが、新NISA口座で投資するなら成長投資枠で購入することになります。
結局のところ投資スタンスは人それぞれなので、どちらに投資するかについては個人的な好みの問題だと思います。
あえてどちらかを選ぶとすれば「ニッセイNASDAQ100インデックスファンド」を選びます。
ニッセイSOX指数インデックスファンドとニッセイNASDAQ100インデックスファンドの選択基準
ニッセイNASDAQ100インデックスファンドとニッセイSOX指数インデックスファンドを選ぶ際の参考にするために、この2つのファンドの選択基準を考えてみたいと思います。
両ファンドのイメージ | |
---|---|
ニッセイNASDAQ100インデックスファンド | ニッセイSOX指数インデックスファンド |
オルカン(全世界株式)やS&P500(全米株式)以外で有力の投資信託 | アクティブファンドの代替商品(投資上級者向き) |
ニッセイNASDAQ100インデックスファンド
ニッセイNASDAQ100インデックスファンドは、オルカン(全世界株式)やS&P500(全米株式)以外の投資信託に興味があるという人に有力な投資信託だと思います。
NASDAQ100指数に連動した国内の投資信託の中では信託報酬も最安水準に設定されているので、人気も高くなりそうです。
今後ニッセイNASDAQ100インデックスファンドがつみたて投資枠の対象商品になることは間違いないと思いますが、現在の基準ではまだ数年先になると思われます。
NASDAQ100指数に連動した投資信託への投資を検討しているなら、今のうちから成長投資枠を使って投資してもいいと思います。
ニッセイSOX指数インデックスファンド
ニッセイSOX指数インデックスファンドは投資上級者向きの投資信託と言えるでしょう。
同指数に連動するETF並に信託報酬が低く設定されているのも魅力で、アクティブファンドの代替として選択する人が多いかもしれません。
ボーナスが入った時など、資金に余力があるときに買ってみるのもいいかもしれません。
半導体関連の個別銘柄に投資を検討している人にも有力な選択肢になると思います。
ニッセイSOX指数インデックスファンドとニッセイNASDAQ100インデックスファンドの比較
ニッセイSOX指数インデックスファンドとニッセイNASDAQ100インデックスファンドがベンチマークしている指数や信託報酬、構成銘柄数などを比較してみましょう。
商品名 | ニッセイSOX指数インデックスファンド | ニッセイNASDAQ100インデックスファンド |
---|---|---|
ベンチマーク | SOX指数(フィラデルフィア半導体株指数) (配当込み、円換算ベース) |
NASDAQ100指数 (配当込み、円換算ベース) |
構成銘柄数 | 半導体関連の30銘柄 | NASDAQに上場している時価総額上位100銘柄 (金融銘柄を除く) |
ウェイト | 時価総額加重平均 | |
購入時手数料 | なし | |
換金時手数料 (信託財産留保額含む) |
なし | |
為替ヘッジ | なし | |
運用管理費 (信託報酬) |
0.1815%(年率) | 0.2035%(年率) |
純資産総額 (2024/3月時点) |
215.33億円 | 1142.72億円 |
設定日 | 2023/3/31 | |
信託期間 | 無期限 | |
運用(委託)会社 | ニッセイアセットマネジメント |
パフォーマンスの比較
ニッセイSOX指数インデックスファンドとニッセイNASDAQ100インデックスファンドのパフォーマンスを比較してみましょう。
どちらも2023年3月31日に運用を開始したばかりなので、6ヶ月間のデータ比較です。
「青色の線がニッセイSOX指数インデックスファンド」で「ピンク色の線がニッセイNASDAQ100インデックスファンド」です。
画像出典:yahoo!ファイナンス
組入上位10銘柄の比較
ニッセイSOX指数インデックスファンドとニッセイNASDAQ100インデックスファンドの組入上位10銘柄の構成銘柄を比較してみましょう。
ニッセイSOX指数インデックスファンドの構成銘柄数30に対して、ニッセイNASDAQ100インデックスファンドの構成銘柄数は101です。
下記データは2023年10月末時点のマンスリーレポートに掲載されている組入上位10銘柄です。
※対組入株式等評価額比
画像出典:ニッセイアセットマネジメント/マンスリーレポート
国・地域別組入比率と業種別組入比率の比較
ニッセイSOX指数インデックスファンドとニッセイNASDAQ100インデックスファンドの国・地域別組入比率と業種別組入比率を比較してみましょう。
国別に見ると、どちらも米国企業が圧倒的に多いですが、業種で見るとニッセイNASDAQ100インデックスファンドはそれなりに分散されているのがわかります。
下記データは2023年10月末時点のマンスリーレポートに掲載されている国・地域別組入比率と業種別組入比率です。
画像出典:ニッセイアセットマネジメント/マンスリーレポート
純資産総額の比較
2024/3月時点の純資産総額も比較してみましょう。
投資信託の運用コストに関しては、純資産総額が大きい方がスケールメリットが働きやすく、運用も安定しやすくなります。
ファンド名 | 純資産総額 【2024/3月時点】 |
---|---|
ニッセイSOX指数インデックスファンド (米国半導体株) |
215.33億円 |
ニッセイNASDAQ100インデックスファンド | 1142.72億円 |
運用開始日は同じですが、2024/3月時点の純資産総額ではニッセイNASDAQ100インデックスファンドがニッセイSOX指数インデックスファンド(米国半導体株)を大幅に上回っています。
NASDAQ100指数に連動している投資信託では信託報酬が最安水準ということもありますが、ニッセイNASDAQ100インデックスファンドの人気の高さが伺えますね。
新NISAの成長投資枠でニッセイNASDAQ100インデックスファンドを選ぶ理由
新NISAの成長投資枠で、私がニッセイNASDAQ100インデックスファンドを選ぶ理由について説明します。
- 新NISAの成長投資枠も長期投資が前提
- 純資産総額が大きい
- NASDAQ100指数が好き
理由① 新NISAの成長投資枠も長期投資が前提
基本的にNISA口座は非課税なので、特定口座のように譲渡損失の損益通算や繰越控除ができません。
そのようなことからも、NISA口座は株式などの短期的な売買には向いていないと言えるでしょう。
新NISAの成長投資枠は翌年以降に投資枠が復活するということもあり、成長投資枠に関しては人によってさまざまな活用方法があると思います。
個人的には成長投資枠でも長期的なスタンスで投資することが望ましいと考えているので、銘柄や業種の分散効果が期待できるニッセイNASDAQ100インデックスファンドの方がリスクを軽減できるというのが理由の一つです。
理由② 純資産総額が大きい
純資産総額の大きさは投資信託を選ぶ際の一つの目安に過ぎませんが、資金流入額がどの程度あるのかという点でも気になるところです。
運用開始日が同じということを考えると、ニッセイNASDAQ100インデックスファンドへの資金流入額には勢いがあり、今後も順調に純資産総額が増えて行くように思えます。
投資信託の純資産総額は大きいに越したことはないので、スケールメリットや運用の安定性という点でも、この2つのファンドならニッセイNASDAQ100インデックスファンドの方を選びます。
理由③ NASDAQ100指数が好き
新NISAの成長投資枠でニッセイNASDAQ100インデックスファンドを選ぶもう一つの理由は、単にNASDAQ100指数に連動した投資成果を目指すファンドが好きだからです。
米国株指数ではS&P500指数が有名です。
NASDAQ100指数は1985年に設定以来、S&P500指数を長期的にアウトパフォームしている数少ない指数としても知られています。
これもNASDAQ100指数が好きな理由の一つです。
S&P500指数に比べると構成銘柄数が少ないためリスクも高くなりますが、やはりNASDAQ100指数のパフォーマンスは魅力です。
下記画像はS&P500指数とNASDAQ100指数に連動する米国のETF、VOO(S&P500指数に連動するETF)とQQQ(NASDAQ100指数に連動するETF)のパフォーマンス比較です。
小さくて見ずらいと思いますが「紫色の線がVOO」で「ピンク色の線がQQQ」です。
下記データは2000年12月1日から2023年12月1日までのデータです。
画像出典:yahoo!finance
下記データは直近5年間のデータです。
画像出典:yahoo!finance
つみたて投資枠の対象となっているNASDAQ100指数に連動した投資信託がある
ご存知の人も多いと思いますが、実はNASDAQ100指数に連動した投資成果を目指す投資信託で、つみたて投資枠の対象となっている「iFreeNEXT NASDAQ100 インデックス」があります。
iFreeNEXT NASDAQ100 インデックスは、NASDAQ100指数に連動した投資成果を目指す投資信託としては、初めてつみたてNISAに採用されたということもあり純資産総額も順調に増えています。
しかし現時点でiFreeNEXT NASDAQ100 インデックスの信託報酬は0.495%(年率)に設定されています。
それに比べてニッセイNASDAQ100インデックスファンドの信託報酬は0.2035%(年率)と割安に設定されています。
今後はiFreeNEXT NASDAQ100 インデックスの信託報酬が引き下げられることもあるかもしれませんが、新NISA口座でNASDAQ100指数に連動した投資信託を買うなら、信託報酬が最安水準のニッセイNASDAQ100インデックスファンドは有力な選択肢と言えるでしょう。
ニッセイSOX指数インデックスファンドとニッセイNASDAQ100インデックスファンドの特徴
ニッセイSOX指数インデックスファンドとニッセイNASDAQ100インデックスファンドの特徴をわかりやすくまとめてみます。
特筆すべき点としては、同じ指数(SOX指数とNASDAQ100指数)をベンチマークしている投資信託の中では、現時点(2023年12月時点)で信託報酬が最安水準に設定されているという特徴があります。
ニッセイNASDAQ100インデックスファンドは大型ハイテク企業への分散投資
画像出典:ニッセイアセットマネジメント
ニッセイNASDAQ100インデックスファンドがベンチマークしているNASDAQ100指数は、NASDAQ市場に上場している企業のうち、金融関連銘柄を除く時価総額と流動性が高い上位100銘柄で構成されています。
日本でも人気のS&P500指数は米国市場全体を対象としているのに対し、NASDAQ100指数はNASDAQ市場へ上場している企業のみが対象です。
また、S&P500指数の採用基準は米国の企業であることが前提ですが、NASDAQ100指数の採用基準に関しては、米国外の企業でも特定の基準を満たせば採用されるという特徴があります。
業種別組入比率では情報技術が圧倒的に多く、ニッセイNASDAQ100インデックスファンドに投資するということは、米国大型ハイテク企業への分散投資ともいえるでしょう。
NASDAQ100指数は1985年に設定以来、S&P500指数を長期間にアウトパフォームしている数少ない指数としても知られており、毎年12月に銘柄入れ替えが行われます。
NASDAQ100指数に連動する投資成果を目指す投資信託は人気が高いこともあり、運用開始当初から「ニッセイNASDAQ100インデックスファンド」はとても注目されています。
NASDAQ100指数に連動する国内の投資信託では、信託報酬が最安水準に設定されているのも人気の理由です。
ニッセイSOX指数インデックスファンドは半導体関連銘柄への集中投資
画像出典:ニッセイアセットマネジメント
ニッセイSOX指数インデックスファンドがベンチマークしているSOX指数は、米国市場に上場している主要な半導体関連30銘柄で構成されています。
要するにニッセイSOX指数インデックスファンドへ投資するということは、半導体セクターへ集中投資するということです。
そういう点を鑑みても、ニッセイSOX指数インデックスファンドは投資上級者向けの投資信託と言えるでしょう。
2023年の株式市場は半導体関連銘柄が大きく注目されました。新NISAの成長投資枠では半導体関連銘柄への投資を検討している人もいると思います。
ニッセイSOX指数インデックスファンドは、投資信託でありながらSOX指数に連動するETF並みに信託報酬が低い点も魅力です。
アクティブファンドの代替としてや、半導体関連の個別銘柄に投資を検討している人にとっても有力な選択肢になり得ると思います。
ニッセイSOX指数インデックスファンドとニッセイNASDAQ100インデックスファンドはどんな人に向いている?
今回は新NISAの成長投資枠ならニッセイSOX指数インデックスファンドとニッセイNASDAQ100インデックスファンドのどっち?というテーマで書いてみました。
どちらもニッセイアセットマネジメント株式会社が2023年3月31日に設定・運用を開始したファンドで、大手ネット証券などで購入可能です。
基本的には2つとも、ある程度の投資経験がある人向けの投資信託だと思います。
そのため新NISAで初めて投資を始める人などの投資初心者には不向きだと思います。
特にニッセイSOX指数インデックスファンドについては、投資信託とはいえ投資上級者向けの商品だと思って、投資初心者の方は安易に手を出さないほうが無難です。
新NISAで初めて投資を始める人は、まずは「つみたて投資枠」でオールカントリー(全世界株式)などの投資信託に少額から積み立て投資を行うのが理想的です。
最後のまとめとして、この2つのファンドがどんな人に向いているかをまとめておきます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ニッセイNASDAQ100インデックスファンド | ニッセイSOX指数インデックスファンド |
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