つみたてNISAの口座開設を、SBI証券と楽天証券のどちらにするか迷っている人も多いと思います。
基本的にはどっちでもいいと思いますが、今回はあえて楽天証券ではなく、SBI証券を選ぶ理由について解説したいと思います。
つみたてNISA口座をSBI証券にする1番の理由
つみたてNISA口座をSBI証券にする1番の理由といえば、米国株式を投資対象とした超低コストインデックス・ファンドがあることです。
SBI証券で2021年6月に新たなラインナップを加えて誕生した「SBI・Vシリーズ」は、米国株指数を投資対象とする国内の投資信託としては、信託報酬が現時点(2021年7月現在)で最安に設定されています。
「SBI・Vシリーズ」はSBI証券限定のインデックスファンド(投資信託)なので、つみたてNISA口座で投資したいなら、SBI証券で口座を開設しなくてはいけません。
カントリー・リスクを理解して、つみたてNISA口座の非課税メリットを生かし、パフォーマンス重視で米国株のインデックス・ファンドに投資したいと思っているなら、SBI証券がおすすめです。
つみたてNISA口座をSBI証券にする理由としては、米国株(SBI・Vシリーズ)に投資したいというのが一番だと思います。
SBI・Vシリーズとは
画像出典:SBI証券
SBI・Vシリーズとは、世界最大級の資産運用会社バンガード社のETF(上場投資信託)が投資対象になっている、超低コストのインデックスファンドです。
SBI・Vシリーズには現時点で3つのインデックス・ファンドがありますが、そのうちの2つがつみたてNISAの対象となっていて、同じ指数に連動する他社のインデックス・ファンドに比べて、どちらも信託報酬が最安(0.0938%程度)に設定されています。
ではその2つのインデックス・ファンドを紹介します。
SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
画像出典:SBI証券
SBI・V・S&P500インデックス・ファンドは、もともと「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」という名称で2019年から運用開始されています。
しかし、バンガード社が日本市場向けの投資商品の販売事業から撤退することになり、「バンガード」という名称が使えなくなったことから、新たにSBI・Vシリーズとして生まれ変わり、名称変更されたようです。
バンガード社が運用するETF(VOO)を投資対象としており、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドの信託報酬は「0.0938%程度」です。
日本のインデックス・ファンドで、VOOが投資対象としている指数「S&P500」に連動した運用成果を目指す投資信託としては、三菱UFJ国際投信が運用している「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」が人気です。
SBI証券でもeMAXIS Slim米国株式(S&P500)に投資することが可能ですが、SBI・V・S&P500ができた現在は、より低コストのSBI・V・S&P500の方が人気となっています。
SBI・V・S&P500は、既に2,500億円を超える純資産総額にまで成長しており、SBI証券の販売ランキングでも不動の一位となっている人気インデックス・ファンドです。
SBI・V・全米株式インデックス・ファンド
画像出典:SBI証券
SBI・V・全米株式インデックス・ファンドは、バンガード社が運用しているETF(VTI)を投資対象としています。
こちらも信託報酬は「0.0938%程度」となっており、2021年6月29日に設定されたばかりにもかかわらず、既にSBI証券の投資信託販売ランキングでも、2位に急上昇するほどの人気ぶりとなっています。
日本のインデックス・ファンドで、VTIが投資対象にしている指数「CRSP US Total Market Index」に連動した運用成果を目指す投資信託としては、楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)が有名です。
楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)の信託報酬0.162%に対して、SBI・V・全米株式インデックス・ファンドの信託報酬は0.0938%です。
SBI・V・全米株式インデックス・ファンドは2021年6月に出来たばかりなので、純資産総額では楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)に及ばないにしても、これだけ信託報酬に差があると、人気になるのは当然ですね。
きっと早々に楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)も信託報酬を下げるのではないかと思います。
人気ETFを目玉商品にしたSBI証券の戦略
バンガード社が運用しているETFのVOOとVTIは、米国株へ低コストで投資できるインデックス・ファンドとして日本でも大人気なので、知名度が高いです。
米国を代表する指数「S&P500」に連動した運用成果を目指すVOOと、「CRSP US Total Market Index」に連動した運用成果を目指すVTI。
この2つの指数の違いは、主に米国の大型株を対象(VOO)とするか、米国の小型株までを網羅する(VTI)かの違いで、何かと比較される事が多いVOOとVTIですが、実際のパフォーマンスはほとんど変わりません。
知名度が高い2つの人気米国株インデックス・ファンドを対象に、信託報酬を最安にしてアピールするというSBI証券の戦略は上手いですね。
VOOとVTIについては以前の記事でもう少し詳しく解説してますので、よろしければ参考にしてみて下さい。
信託報酬の注意点
先ほど「SBI・Vシリーズ」は他社のファンドと比べて信託報酬が最安と書きましたが、ここで一つ注意点があります。
信託報酬とトータル・リターンは別
信託報酬が最安だからといって、同じ指数に連動している他社の投資信託に比べて、必ずしもトータル・リターンが1番良くなるわけではありません。
この辺が投資信託のわかりずらいところなのですが、簡単にいうと投資信託の場合、純資産総額の関係で純資産総額が小さいうちは、運用経費率がやや高くなってしまう傾向があります。
わかりやすいように例をあげてみます。
例えばSBI・VシリーズのSBI・V・S&P500インデックス・ファンドと同じS&P500指数に連動している、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の場合、信託報酬は0.0968%となっています。
SBI・V・S&P500の信託報酬は0.0938%なので、信託報酬だけ見ると僅かですがSBI・V・S&P500の方が低くなっています。
しかしSBI・V・S&P500はeMAXIS Slim米国株式(S&P500)に比べて、約1年ほど遅れて出来たファンドなので、その分、純資産総額も小さくなっています。
現時点での純資産総額は、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)が5,200億円を超えており、SBI・V・S&P500は2,500億円を超えたくらいなので、約2倍程度の差があります。
現時点ではまだeMAXIS Slim米国株式(S&P500)の方が純資産総額が大きい為、トータル・リターンでは僅か(0.数%程度)にeMAXIS Slim米国株式(S&P500)の方が良いようです。
純資産総額の増加が目覚ましいSBI・Vシリーズ
SBI・Vシリーズは、知名度が高い米国の人気インデックス・ファンドを対象にした売り出し方が、大成功したといえるでしょう。
純資産総額の増加スピードも目覚ましく、他の国内インデックス・ファンドを凌ぐ勢いで年々拡大しています。
同じ指数を投資対象とするインデックス・ファンドの中では、いずれ純資産総額が1,2を争うファンドに成長していくことが考えられます。
純資産総額の大きさに比例するデメリット(純資産総額が小さいうちは経費率がほんの少し高くなる)も、難なくクリアしていくと思うので、これからつみたてNISAで米国株のインデックス投資をするなら、信託報酬が最安のSBI証券がいいと思います。
米国株に投資したいならSBI証券
今回はつみたてNISAの口座開設にSBI証券を選ぶ理由について解説してみました。
きっと多くの方がつみたてNISAを始めるにあたり、SBI証券と楽天証券のどちらに口座を開設するか悩んだことがあるのではないでしょうか。
まぁ一言でいうと、米国株に投資したいならSBI証券を選択すればいいと思います。
ここまでなんだかんだと解説してきましたが、結局のところ理由はこれに尽きると思います。逆に米国株に拘らないなら、特にSBI証券にする理由はないと思います。
カントリー・リスクを理解した上で、つみたてNISA口座の非課税メリットを生かし、パフォーマンス重視で米国株のインデックス・ファンドに投資したいと思っているなら、SBI証券がおすすめです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。