IPO投資には欠かせない松井証券。
この記事では、松井証券のIPOに関する基本情報をわかりやすく解説します。
具体的な内容は次のとおりです。
- 松井証券のIPO基本情報
- 松井証券のIPOの抽選方法とネット配分
- 松井証券のIPOの抽選結果
- IPOの当選後にキャンセルした場合のペナルティの条件
- 松井証券のIPO実績
- 松井証券のIPOメリット・デメリット
- 松井証券のIPOに申し込む方法(動画も有)
さらに、5大ネット証券との口座開設数の比較なども紹介します。
松井証券のIPO基本情報
松井証券のIPO基本情報 | |
---|---|
IPO銘柄取扱数 (2021年度) |
56銘柄 |
主幹事数 (2021年度) |
0 |
口座数 | 138万口座以上 |
抽選方法 | 完全平等抽選 裁量配分 |
ネット配分 | 70%(完全平等抽選) 30%(裁量配分) |
前受金 (事前資金) |
不要 |
入金タイミング | 購入申込時(当選の場合) |
IPO銘柄のNISA口座対応 | ○ |
上記の基本情報を踏まえ、特筆すべき点をピックアップしてみましょう。
松井証券のIPOでは事前資金(前受金)が不要
松井証券のIPOといえば、事前資金不要(前受金)でIPOの抽選に参加できるという特徴があります。
多くの証券会社のIPOは、ブックビルディング(公開価格を決定する方式の一つ)に参加する前に、入札分の資金を口座に入金する必要があります。
IPOは集中することが多いので、同じ時期に多くのIPOに参加するにはそれなりに資金も必要になります。
資金量が少ない個人投資家の場合、資金が足りないがためにIPOを諦めなくてはならないときもあるでしょう。
松井証券は事前入金が不要なので、資金を気にすることなくIPOの抽選に参加することができます。
IPO投資は資金がどれくらい必要かと考える人は多いと思います。 IPOの抽選方法などは証券会社によってさまざまですが、実は資金不要でIPOの抽選に参加できる証券会社があります。 この記事では、IPOに資金不要で参加できる証券会社[…]
松井証券のIPOの抽選方法とネット配分
松井証券のIPOの抽選方法は、ネット配分の70%が一人一票制(平等抽選方式)で行われます。
一人一票制(平等抽選方式)とは、一人(一口座)につき抽選権が一票となります。
IPOの抽選方法は主に次の3つに分かれます。
- 一人一票制(平等抽選方式)
- 一口一票制(口座比例方式)
- ステージ制(個人優遇方式)
この3つの抽選方式は、それぞれ次のような特徴があります。
- 一人一票制(平等抽選方式)
-
一人一票制(平等抽選方式)は、一人(一口座)につき抽選権が一票となります。
資金量がどれだけ多くても当選確率は変わりません。
- 一口一票制(口座比例方式)
-
一口一票制(口座比例方式)の場合、一口の応募につき抽選権が1つ与えられます。
応募口数が多い(=資金量が多い)ほど当選確率が上がります。
- ステージ制(個人優遇方式)
-
ステージ制(個人優遇方式)では、預かり資産や取引実績などによって当選確率が変わります。
資金量が多いほど当選確率は上がりやすくなります。
松井証券のIPOの抽選では70%が一人一票制(平等抽選方式)なので、資金量の大小によって当選確率が変わることがなく、誰でも平等にチャンスがあります。
残りの30%は松井証券での取引実績などにより裁量的に配分されるようです。
に改定された松井証券の資料「募集等にかかる株券等のお客様への配分にかかる基本方針」の一部を抜粋しておきます。
抽選の割合
配分先は、配分予定数量の70%以上を抽選により決定します。
ただし、次に掲げる場合には、抽選の割合を引き下げることまたは抽選を中止することがあります。
- お客様からの購入申込数量が当社における配分予定数量に満たない場合
- 抽選の対象となるお客様からの購入申込数量が抽選による配分予定数量に満たない場合
- 抽選を行う数量が5単位に満たない場合
抽選の方法
抽選は自然乱数を用いて行います。
なお、できるだけ多くのお客様に配分が行われるよう、1人当たりの購入申込数量に上限を設ける場合があります。
抽選によらない配分
抽選によらない配分は、当社との取引状況、証券投資についての知識・経験・資力・投資方針等の適合性を勘案し、公正な配分を行います。
出典:松井証券/募集等にかかる株券等のお客様への配分にかかる基本方針
松井証券のIPOの抽選結果
松井証券のIPOの抽選結果は、
需要申告期間最終日の翌営業日の17:00以降(夕方データ一括処理終了後)、需要申告画面(状態欄)に表示されます。
「当選」・「補欠当選」の場合は、ホーム画面にメッセージが表示されます。
IPOの抽選結果の内容は次の通りです。
抽選結果の内容 | |
---|---|
当選 | 公募・売出し価格以上の値段で需要申告を行い抽選の結果、当選した場合に表示されます。 購入申込期間中に購入申込を行ってください。 |
補欠当選 | 公募・売出し価格以上の値段で需要申告を行い抽選の結果、補欠当選となった場合に表示されます。 購入申込期間中に購入申込を行ってください。 当選された人が購入を辞退した場合、松井証券のルールに従って配分を受ける可能性があります。 |
落選 | 公募・売出し価格以上の値段で需要申告を行い抽選の結果、落選した場合、または公募・売出し価格未満で需要申告した場合に表示されます。 落選した人は需要申告の申込状況等により、購入申込からの受付を実施する場合のみ、購入申込が可能です。 |
- 当選・補欠当選した場合は、購入申し込み手続きが必要です
- 抽選に当選しても購入申込を行わなかった場合は、購入を辞退したことになり当選株数を購入することができません
- IPO・PO銘柄を購入するには、購入申込期間最終日の15:30時点で、購入を希望する分の余力(公募・売出し価格×購入株数)が必要です
- 当選・補欠当選した場合に購入申し込み手続きを行わないとペナルティがあります
IPOの当選後にキャンセルした場合のペナルティの条件
松井証券では、需要申告の結果が「当選」・「補欠当選」だった場合に購入手続きを行わないと、その後6カ月間はIPOの抽選対象外となるペナルティがあるので注意が必要です。
松井証券では需要申告の結果が「当選」・「補欠当選」だった場合、次の条件に該当するとペナルティとなります。
- 当該銘柄の購入申込みをしなかった場合
- 当該銘柄の購入を辞退した場合
- 当該銘柄の購入申込みをしたものの、配分時点で買付余力がなかった場合
松井証券のIPOは事前の資金が不要なので、とりあえず申し込んでおいて、購入するかどうかは当選してから考えようという人も多いと思います。
事前の資金が不要だからといって、とりあえず何でもかんでも申し込むのは要注意です。
当選後のキャンセルはペナルティがあることを理解して、よく考えてから申し込むようにしましょう。
松井証券のIPO実績
松井証券の過去10年分のIPO実績は次の通りです。
過去10年のIPO実績 | |
---|---|
年度 | 取扱銘柄数 |
2021年度 | 56 |
2020年度 | 18 |
2019年度 | 21 |
2018年度 | 9 |
2017年度 | 14 |
2016年度 | 11 |
2015年度 | 16 |
2014年度 | 5 |
2013年度 | 2 |
2012年度 | 11 |
松井証券のIPO実績はから一気に増えています。
2022年もさらに増えており、今後も積極的にIPOの取扱数を伸ばしていくものと思われます。
松井証券のIPOは当たりやすい?
IPOの抽選は証券会社ごとに行うので、証券会社によって当選確率が異なります。
IPOでは口座開設数が多い証券会社ほど、IPOの抽選に参加する人も多くなるので抽選倍率が上がります。
口座開設数が少なければいいと言うものではありませんが、IPOでは口座開設数は少ないほど抽選倍率が下がる(=当選確率は上がる)ことになります。
5大ネット証券の口座開設数を比較してみましょう。
5大ネット証券の口座開設数を比較
5大ネット証券の口座開設数 | |
---|---|
証券会社名 | 口座開設数 |
SBI証券 | 800万口座以上 |
楽天証券 | 800万口座以上 |
マネックス証券 | 200万口座以上 |
auカブコム証券 | 150万口座以上 |
松井証券 | 130万口座以上 |
今のところ5大ネット証券のなかでは松井証券の口座開設数が一番少ないので、IPOの抽選倍率は低いといえるでしょう。
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松井証券のIPOメリット・デメリット
松井証券のIPOのメリット・デメリットをまとめておきます。
松井証券のIPOメリット
松井証券のIPOのメリットは次のとおりです。
- 事前資金不要(前受金)でIPOの抽選に参加できる
- 資金量によって当選確率が変わることがなく誰でも平等にチャンスがある
- 口座開設数が大手ネット証券に比べて少ない(ライバルが少ない)
松井証券のIPOデメリット
松井証券のIPOのデメリットは次のとおりです。
- キャンセル時のペナルティがある
- 主幹事実績がなくIPO銘柄の割当数が少ない
松井証券のIPOに申し込む方法
松井証券のIPOの抽選に参加するには、需要申告(ブックビルディング)を行う必要があります。
需要申告(ブックビルディング)とは、IPOを行う際に、その銘柄はいくらだったらどのくらいの需要があるのかを把握することにより、発行額・売出し額を決定する方式です。
抽選に参加するためには、需要申告を行う必要があります。
- STEP1松井証券のサイトにログイン松井証券の公式サイトにログインし、上部メニューの「株式取引」→IPO・POの「需要申告」をクリック
- STEP2需要申告画面で申告する需要申告画面でIPOに参加したい銘柄の申込受付欄で「申告する」をクリック
※目論見書の確認が必要です
- STEP3需要申告を行う申し込みする銘柄の値段と枚数(株数)を入力し「申告確認」をクリック
※申告する値段は、表示されている仮条件の範囲で入力する
- STEP4需要申告確認画面で需要申告確認画面で入力内容を確認し「取引暗証番号」を入力して「申告する」をクリック
松井証券の公式YouTube動画(IPO・POの申し込み方法)
松井証券の公式YouTube(IPO・POの申し込み方法)動画も紹介ます。
公式サイトのUIは多少変更される場合がありますが、流れはイメージしやすいと思います。
初めて松井証券のIPOに申し込む場合は見ておくとわかりやすいと思います。
松井証券のIPO まとめ
松井証券は年々IPOの取扱数を増やしており、抽選方式は一人一票の完全平等抽選(配分予定量の70%以上)で行われます。
なんといっても松井証券は、事前資金不要でIPOの抽選に参加できるというのが大きなメリットです。
口座開設数も他の5大ネット証券と比べると少ないので、抽選倍率が低いのもメリットといえるでしょう。
その反面、当選後にキャンセルした場合は、その後6カ月間はIPOの抽選対象外となるので注意が必要です。
IPOの取扱い銘柄数も急増しており、松井証券はIPO愛好家にとって欠かせない証券会社です。
IPOで当選しやすくなるには、何はさておきIPOの抽選機会を増やすことが大事です。
IPOの当選確率アップのために、複数の証券会社に口座を開設するのは“基本の基”です。
IPOは1人で複数の証券会社から申し込んでもOKなので、まずは複数の証券会社に口座を開設しておきましょう。