IPO投資は資金がどれくらい必要かと考える人は多いと思います。
IPOの抽選方法などは証券会社によってさまざまですが、実は資金不要でIPOの抽選に参加できる証券会社があります。
この記事では、IPOに資金不要で参加できる証券会社(ネット証券)3社を比較してみます。
比較するネット証券は次の3社です。
- 松井証券
- 岡三オンライン
- SBIネオトレード証券
IPOに資金不要で参加できる証券会社3社を比較
まずは証券会社3社のIPO銘柄の取扱数や抽選方法など、IPOの基本情報を比較してみましょう。
証券会社名 | |||
---|---|---|---|
松井証券 | 岡三オンライン | SBIネオトレード証券 | |
取扱銘柄数 (2021年度) |
56銘柄 | 47銘柄 | 21銘柄 |
主幹事数 (2021年度) |
0 | 0 | 0 |
口座数 | 138万口座以上 | 30万口座以上 | 非公開 |
抽選方法 | 完全平等抽選 裁量配分 |
完全平等抽選 ステージ制優遇抽選 |
完全平等抽選 ステージ制優遇抽選 |
ネット配分 | 70%(完全平等抽選) 30%(裁量配分) |
10%以上(完全平等抽選) 90%以下(ステージ制優遇抽選) |
10%(完全平等抽選) 90%(ステージ制優遇抽選) |
前受金 | 不要 | 不要 | 不要 |
入金タイミング (当選・補欠当選時) |
購入申込時 | 購入期間前 | 購入申込時 |
キャンセル時のペナルティ (当選・補欠当選時) |
有り | なし | なし |
NISA口座対応 (IPO銘柄) |
○ | ○ | ○ |
公式サイト | 詳細はこちら(PR) | 詳細はこちら(PR) | 詳細はこちら(PR) |
上記のIPOに関する基本情報を踏まえ、証券会社3社の特筆すべき点をピックアップしてみましょう。
※掲載した情報は記事執筆時点のものです。
抽選方法などは変更になる場合があるので、詳細は各証券会社の公式HPでご確認ください。
松井証券
IPO基本情報 | |
---|---|
IPO銘柄取扱数 (2021年度) |
56銘柄 |
主幹事数 (2021年度) |
0 |
口座数 | 138万口座以上 |
抽選方法 | 完全平等抽選 裁量配分 |
ネット配分 | 70%(完全平等抽選) 30%(裁量配分) |
前受金 (事前資金) |
不要 |
入金タイミング (当選・補欠当選時) |
購入申込時 |
キャンセル時のペナルティ (当選・補欠当選時) |
有り |
IPO銘柄のNISA口座対応 | ○ |
松井証券のIPOの抽選方法とネット配分
松井証券のIPOの抽選方法は、
ネット配分の70%が一人一票制(完全平等抽選)なので、資金量の大小によって当選確率が変わることがなく、誰でも平等に当選のチャンスがあります。
一人一票制(完全平等抽選)とは、一人(一口座)につき抽選権が一票となります。
残りの30%は松井証券での取引実績などにより裁量的に配分されるようです。
IPOの当選後にキャンセルした場合はペナルティがある
松井証券では、需要申告の結果が「当選」・「補欠当選」だった場合に購入手続きを行わないと、その後6カ月間はIPOの抽選対象外となるペナルティがあるので注意が必要です。
松井証券では需要申告の結果が「当選」・「補欠当選」だった場合、次の条件に該当するとペナルティとなります。
- 当該銘柄の購入申込みをしなかった場合
- 当該銘柄の購入を辞退した場合
- 当該銘柄の購入申込みをしたものの、配分時点で買付余力がなかった場合
松井証券IPOの特徴
松井証券のIPOの特徴を簡単にまとめておきます。
- ネット配分は70%が完全平等抽選で30%は裁量配分
- 直近(2021年)のIPO実績が急増している
- 3社の中では口座数が一番多い
- 当選後のキャンセルはペナルティがある
PR広告 IPO投資には欠かせない松井証券。 この記事では、松井証券のIPOに関する基本情報をわかりやすく解説します。 具体的な内容は次のとおりです。 松井証券のIPO基本情報 松井証券のIP[…]
岡三オンライン
IPO基本情報 | |
---|---|
IPO銘柄取扱数 (2021年度) |
47銘柄 |
主幹事数 (2021年度) |
0 |
口座数 | 30万口座以上 |
抽選方法 | 完全平等抽選 ステージ制優遇抽選 |
ネット配分 | 10%以上(完全平等抽選) 90%以下(ステージ制優遇抽選) |
前受金 (事前資金) |
不要 |
入金タイミング (当選・補欠当選時) |
購入期間前 |
キャンセル時のペナルティ (当選・補欠当選時) |
なし |
IPO銘柄のNISA口座対応 | ○ |
岡三オンラインのIPOの抽選方法とネット配分
岡三オンラインのIPOの抽選方法は、
ネット配分の10%以上が一人一票制(完全平等抽選)で、90%以下は取引実績などにより優遇されるステージ制優遇抽選となります。
ステージ制抽選では3つのステージに分かれ、3回の抽選が行われます。
3つのステージの判定基準は次のようになります。
ステージ名 | 判定基準 |
---|---|
ステージS |
|
ステージA | 判定期間中の手数料合計が10万円以上100万円未満 |
ステージB | 判定期間中の手数料合計が10万円未満 |
3回のステージ制抽選の対象は次の通りです。
抽選 | 対象ステージ |
---|---|
第1抽選 | ステージS |
第2抽選 | ステージS・A |
第3抽選 | 全ステージ(S・A・B) |
岡三オンラインIPOの特徴
岡三オンラインのIPOの特徴を簡単にまとめておきます。
- 口座数が少ない
- ネット配分は10%以上が完全平等抽選・90%以下はステージ制優遇抽選
- 岡三証券の委託販売が多い
IPO銘柄の取扱数が急増している岡三オンライン。 この記事では、岡三オンラインのIPOに関する基本情報をわかりやすく解説します。 具体的な内容は次のとおりです。 岡三オンラインのIPO基本情報 岡三オンラ[…]
SBIネオトレード証券
IPO基本情報 | |
---|---|
IPO銘柄取扱数 (2021年度) |
21銘柄 |
主幹事数 (2021年度) |
0 |
口座数 | 非公開 |
抽選方法 | 完全平等抽選 ステージ制優遇抽選 |
ネット配分 | 10%(完全抽選) 90%(ステージ制抽選) |
前受金 (事前資金) |
不要 |
入金タイミング (当選・補欠当選時) |
購入申込時 |
キャンセル時のペナルティ (当選・補欠当選時) |
なし |
IPO銘柄のNISA口座対応 | ○ |
SBIネオトレード証券のIPOの抽選方法とネット配分
SBIネオトレード証券のIPOの抽選方法は、
ネット配分の10%が一人一票制(完全平等抽選)で、90%は取引実績などにより優遇されるステージ制抽選となります。
ステージ制抽選では5つのステージに分かれ、適用状況に合わせてステージの票数が付与されます。
ステージ | 抽選票 | 条件① 売買代金合計 |
条件② 保有現物株残高と 保有投資信託残高の合計 |
---|---|---|---|
1 | 1票 | 3000万円以上3億円未満 | |
2 | 3票 | 3億円以上5億円未満 | 3億円以上5億円未満 |
3 | 5票 | 5億円以上10億円未満 | 5億円以上 |
4 | 10票 | 10億円以上30億円未満 | |
5 | 20票 | 30億円以上 |
※両条件を満たす場合は、票数が多いステージが適用されます。
※最低条件に満たない場合は、ステージ制での抽選対象とはならず、完全平等抽選分のみの抽選となります。
SBIネオトレード証券IPOの特徴
SBIネオトレード証券のIPOの特徴を簡単にまとめておきます。
- ネット配分は10%が完全平等抽選で90%はステージ制抽選
- 口座数は非公開だが少ないと思われる
- IPO銘柄の取扱い数は少ない
- SBI証券の委託販売が多い
SBIグループに入りIPOの取扱いが急拡大中のSBIネオトレード証券。 この記事では、SBIネオトレード証券(旧ライブスター証券)のIPOに関する基本情報をわかりやすく解説します。 具体的な内容は次のとおりです。 […]
IPOの過去実績を比較
3つの証券会社のIPOの過去5年分の実績も比較してみましょう。
証券会社名 | |||
---|---|---|---|
松井証券 | 岡三オンライン | SBIネオトレード証券 | |
2021年度 | 56銘柄 | 47銘柄 | 21銘柄 |
2020年度 | 18銘柄 | 39銘柄 | 7銘柄 |
2019年度 | 21銘柄 | 34銘柄 | 5銘柄 |
2018年度 | 9銘柄 | 46銘柄 | 3銘柄 |
2017年度 | 14銘柄 | 23銘柄 | 7銘柄 |
公式サイト | 詳細はこちら(PR) | 詳細はこちら(PR) | 詳細はこちら(PR) |
松井証券とSBIネオトレード証券は、2021年からIPOの取扱いが大きく増加しているのに対し、岡三オンラインは平均してIPOの取扱いが多くなっています。
IPO投資における3社のメリット・デメリット
3社のIPOにおける基本情報や過去実績を考慮して、事前資金以外の主なメリット・デメリットをまとめると次のようになります。
証券会社名 | |||
---|---|---|---|
松井証券 | 岡三オンライン | SBIネオトレード証券 | |
メリット |
|
|
|
デメリット |
|
|
|
公式サイト | 詳細はこちら(PR) | 詳細はこちら(PR) | 詳細はこちら(PR) |
IPOが当選しやすくなるポイント
IPOの抽選に資金不要で参加できる証券会社(ネット証券)3社についてみてきましたが、あらためてIPOに当選しやすくなるポイントを簡単に解説します。
- 複数の証券会社に口座を開設する
- IPOの抽選方法は一人一票制(平等抽選方式)が良い
- IPOの取り扱い実績数をチェック
- 口座開設数が少ないほど有利
複数の証券会社に口座を開設する
IPOで当選しやすくなるには、何はさておきIPOの抽選機会を増やすことが大事です。
IPOによって抽選に参加できる証券会社は異なるので、複数の証券会社に口座があるほどIPOへの参加機会も増やすことができます。
IPOの当選確率アップのために、複数の証券会社に口座を開設するのは“基本の基”です。
IPOは1人で複数の証券会社から申し込んでもOKです。
証券会社に口座を開設しても口座維持手数料などは不要なので、まずは複数の証券会社に口座を開設しておきましょう。
IPOの抽選方法は一人一票制(完全平等抽選方式)がおすすめ
IPOの抽選方法は主に次の3つに分かれます。
- 一人一票制(完全平等抽選方式)
- 一口一票制(口座比例方式)
- ステージ制(個人優遇方式)
証券会社によってIPOの抽選方式はさまざまですが、資金量に左右されない「一人一票制(完全平等抽選方式)」を採用している証券会社はおすすめです。
- 一人一票制(完全平等抽選方式)
-
一人一票制(完全平等抽選方式)は、一人(一口座)につき抽選権が一票となります。
そのため、資金量がどれだけ多くても当選確率は変わりません。
- 一口一票制(口座比例方式)
-
一口一票制(口座比例方式)の場合、一口の応募につき抽選権が1つ与えられます。
そのため、応募口数が多い(=資金量が多い)ほど当選確率が上がります。
- ステージ制(個人優遇方式)
-
ステージ制(個人優遇方式)では、預かり資産や取引実績などによって当選確率が変わります。
そのため、資金量が多いほど当選確率は上がりやすくなります。
一人一票制(完全平等抽選方式)は、どれだけ資金量が豊富でも当選確率は一緒です。
つまり、「一人一票制(完全平等抽選方式)」は資金力に左右されないので、資金が少額の個人投資家でも平等に当選チャンスがあります。
IPOの取り扱い実績数をチェック
IPO投資では、証券会社が年間でどのくらいIPOを扱っているかが大事です。
IPOの取扱数が多いほど、申し込める機会も増えるので当選するチャンスも増えます。
IPOの取扱数が多い証券会社ほど「主幹事」や「幹事」を務める機会も多く、特に「主幹事」になると割り当てられる株数も格段に多くなります。
「主幹事」や「幹事」の実績が多い証券会社の口座は開設しておくのがおすすめです。
口座開設数が少ないほど有利
IPO投資では口座開設数が少ない(ライバルが少ない)ほど有利です。
そのため、まだ新しい証券会社は口座開設数が少ないのでIPO投資では狙い目といえるでしょう。
新しい証券会社だとIPO銘柄の取扱数が少ないというデメリットもありますが、グループ企業や提携先にIPO実績が豊富な証券会社があれば、委託販売が回ってくることも多くなります。
大手証券会社がグループ企業で、新しくできた証券会社(口座開設数が少ない)ほど、IPOが当選しやすいといえるでしょう。
資金不要でIPOに参加できるメリット活かす
多くの証券会社のIPOでは、抽選に参加する前に入札分の資金を口座に入金する必要があります。
IPOは集中することが多いので、同じ時期に多くのIPOに参加するには、それなりに資金も必要になります。
資金量が少ない個人投資家の場合、資金が足りないがためにIPOを諦めなくてはならないときもあるでしょう。
この記事で紹介した3社の証券会社(ネット証券)は、資金不要でIPOの抽選に参加できるというメリットがあります。
IPOの抽選方法やネット配分など、それぞれIPOのルールは異なりますが、IPO投資は複数の証券会社に口座を開設するのが“基本の基”です。
IPOで当選しやすくなるには、何はさておきIPOの抽選機会を増やすことが大事です。
資金不要でIPOに参加できるメリットを活かし、IPOの抽選機会を増やすことができれば当選のチャンスも広がります。
ネット証券は口座維持手数料も不要です。
IPO投資をするなら複数の証券会社に口座を開設して、IPOの抽選機会を増やすのが当選への近道となるでしょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。